人脈を広げる【零細企業が人材を確保するために】

零細企業の人事をお手伝いするコンサルタントの永江です。
これは私のクライアントさんや知り合いの人で、実際に零細の社長さんとしてうまく人材育成ができている人たちのすべてに言えることです。みなさん、とにかく、良い人脈をお持ちです。やはり、なんだかんだいってビジネスにおいて人脈というものは非常に価値の高い資産だといえると思います。

どの方向に人脈を広げるのか

最初に考えなくてはいけないことは、どの方向に自分の人脈を広げるのかということです。やみくもに知り合いを増やすだけだと効率も悪いし、効率が悪いということは、まったく無駄になってしまうような手間をかけてしまうということでもあります。どういう人と知り合い、その人たちとどう付き合っていきたいのかということを考えておく必要があると思います。

純粋に人事のこと、人材を確保することだけにフォーカスをするのであれば、実際にその分野で成功している人に会えるような場を探しましょう。経営者の集まり、勉強会、セミナー、朝活のような催しも可能性があります。そして、さらに絞って採用について考えているならば、学生さんとつながりを持てるイベントなども考えてみてもいいかもしれません。昨今では学生さんが社会的な活動をする機会も少なくないので、そういう催しを探してみてもいいです。

うまくいっている経営者に出会う

自分と同じような零細企業を経営していて成功している社長さんには、既存の会合や集まりに参加する方法で会えます。某、朝の早くから活動をしている団体さんでもいいし、商工会議所のような団体さんでもいいし、小規模事業者向けのセミナーに参加してみるのも良いかもしれません。そういうところに参加をして、いろいろな話を聞いてみましょう。最初は狙ったような人に会えないかもしれませんが、ちゃんと意識を持っていれば回を重ねるうちに会えます。会えるというか、自分が求めるような人を見つけるセンサーが磨かれるという言い方が正しいかもしれません。

もちろん、既にそういうなんらかの会に参加をしている人もいると思います。でも、現状で何かの課題を持っているなら、何かを変えなくてはいけません。いま参加している集まりの中で見本となる経営者さんに出会えていないのであれば、外に出てみる機会だと考えてみましょう。基本的に、課題を解決するために必要なことは、「今やっていない行動」です。

学生さんに出会う

新規採用を考えてみると、学生さんに会ってみるのは良いことです。おそらく新しい人を採用しようと考える零細の社長さんなら、若い人に来てほしいと思っているはず。だから、学生さんの考え方を聴いてみるのも価値があります。

個人的に私がお勧めをしている出会い方は、インターンシップの受け入れです。やったことがない社長さんにはかなりハードルが高いと思います。でも、実際に若い人を身近に置いてその考えを見てみたり、若い人に指導をする練習にもなります。数日ていどの日程であれば、実はやりようによってそれほど難しいものではありません。私のクライアントさんでも、毎年、数人のインターンシップを受け入れている会社があります。そして、今年はそこから新規採用につながりました。

インターンシップ以外にも、学生さんが主催するイベントに参加して、できればその運営をしている学生団体とつながると良いです。何かの支援をしてあげるようになってもいいし、単に意見を交換する場を設けてもらうだけでもよいです。そこから若い人に自社を知ってもらうことができるし、自分の人柄から会社の良いイメージを持ってもらうための布石にも出来ます。マイナーが業界であれば、何かの機会にプレゼンをさせてもらってもいいですね。イベントをやっているような学生さんなら、知らない職業や仕事に対しても興味をもって見てくれます。

SNSとリアルの連携

ある人と出会って、その後にその人とつながりを続けたいと思ったら、何かしらの用事をつくって連絡をとりましょう。そのうち、そのうちと思っているとあっという間にこちらのことなど忘れられます。私がよく言うのは「後朝の文」作戦で、会った次の日あたりにメールをします。メールだと大仰だと思う人は、FacebookなどのSNSを使ってみるといいと思います。

SNSの使い方にもいろいろありますが、いちど会った人と、その後もずっと自然に交流ができて覚えてもらいやすい、忘れられにくいということがあります。自分がふだんどういうことをしているのか、その人がいつもどんなことをしているのかも分かります。もちろんすべてを公開しているわけではないですが、逆にいえば、こちらのイメージもこちらでコントロールして良いものとして伝えられます。そして、何かの機会をつくって、「あ、久しぶり!いつも見ていますよ」という感じで親しく話しましょう。人脈を維持しやすくしてくれるツールとしてSNSを活用し、リアルで接触することと連携していきましょう。

ウェブの施策【零細企業が人材を確保するために】

人事コンサルタントの永江です。
零細企業が人材を確保するためにできる施策について、今回は、人材確保の観点からウェブをどう活用するのかということを考えます。

まず大切な最初のポイントは、ウェブを使わないという選択肢はないということです。零細企業の社長さんは忙しくて、事業内容や仕事の内容からウェブから縁遠い人も少なくないと思います。電話とFAXで仕事はできるし、インターネットもたまに見るくらいで充分という方も多いはず。でも、今の時代に人材をしっかり確保しようと考えたらウェブは必須と思ってください。

落としどころはホームページ

やれFacebookだ、やれInstagramだ、と、いわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用が盛んです。仲間内での連絡であれば、もはやE-メールすら古いものになりつつあります。ウェブを活用して云々というと、これらSNSの活用方法に目が行きがちな人もいるのではないでしょうか。でも、ウェブ活用で人材確保を考えるときに、最初にとりくんで構築していただきたいのは、独自ドメインのホームページです。

独自ドメインというのはインターネット上の住所のようなものを自社で持つということです。いまご覧いただいているウェブページなら「manabuki.com」というのが独自ドメインです。有名なところでは、「yahoo.co.jp」というのが日本のヤフー!のドメインですし、「toyota.jp」はトヨタのドメインです。

この独自ドメインは年間費用にして数百円ていどから持てるもので、インターネット上にしっかりと自社の「居場所」を確保することになります。たとえば学生さんがちょっと興味を持った企業を調べようとするとネット検索をするのは当たり前になっているので、そのときに「ちゃんとした会社」と思われやすくなるというメリットがあります。たとえば誰かにある飲食店を勧められたときに、そのお店の名前でネット検索をしたとします。お店の情報が、食べログとか、Hot Pepperとか、そういうところにしか掲載されていないよりも、ちゃんと自分のお店の独自ドメインで自社のホームページを持っているほうが、しっかりした経営・運営をしているような感じがするものです。それと同じで、インターネットで会社の情報を見てもらうなら独自ドメインのホームページを持ちましょう。

社長さんの思うとおりに情報を扱えるのが独自ドメインのホームページですが、これを持つのが難しいというイメージはまだ残っています。でも実際はそうではなくて、非常に簡単に自社のホームページが持てるようになりました。ほんとに便利な世の中になったものです。最低限の会社情報を掲載するだけなら、初心者でも半日もあれば大丈夫です。インターネットを使ってあなたの会社を調べた人が、最終的にたどりついて、なんなら問合せしてくれる窓口になるものとしてホームページを持ちましょう。

網を広げるのがブログ

ブログというのはネット上にある日記のようなものです。最初にちょっとやり方を覚えれば、簡単に会社に関する情報の記事をネット上に存在させることができます。そして、基本的にブログは1記事につき1つのウェブページとなります。たとえば1日に1記事を投稿したとすると、1年間で365のウェブページが追加されることになります。この数がインターネットの世界では有効になってくるのです。

将来あなたの会社に入社してくれるかもしれない人はネット検索で自分が興味を持っているキーワードについて調べています。会社の事業に関連ある言葉、福利厚生に関係ある言葉、所在地に関係ある言葉、いろいろな言葉で検索します。そのときに、インターネット上にページが多くあるほうが見つけてもらいやすくなります。イメージとしては、まさにインターネット上に網をしかける感じで、それをどんどん広げていくのがブログの役割ということです。そして、そのブログが独自ドメインの中にあれば、「なんとなくちゃんとしていそう」というイメージと、「見つけてもらいやすい」というメリットが同時に得られるようになります。

SNSでファンを醸成する

ファンといっても、熱烈な追っかけみたいなものではありません。そういうふうになってもらってもいいのですが、もうっちょっと軽い感じで、「なんとなくあの会社が気になる」という程度でいいです。私の経験と、私のまわりにいるたくさんの知り合いの経験から考えると、SNSで日頃のさまざまな行動を発信していると、自然と人柄を想像してもらえるようになります。それが悪いイメージのものだと良くないのは当然ですが、社長の人柄がネット上に印象として表現されていくということです。

ネット上に存在する社長の人柄のイメージは正確である必要はありません。もちろん正確なほうがいいのですが、狙って正確にするのも人によっては難しいです。それよりも、ちゃんと実在する人間として社長の人柄を「なんとなく」感じてもらって、「あの人、知っている」という状態になってもらうのがいいです。同じ情報であっても受け取り方は人それぞれで違いますから、どう受け取られるかは相手に委ねます。とにかく、「知らない人」から「知っている人」になって、ライトな「ファン」を醸成するのにSNSを使いましょう。

テクニックよりも心構え

ウェブ活用を有効に行っていくためのテクニックはいろいろとあります。私が使っているものもあれば、まだ知らずに活用できていないものもあると思います。でも、大切なのはそういったテクニックを知っていることではなくて、ウェブ活用で必要な心構えを持っているかどうかです。最初に書いたように、零細企業の社長が人材確保を考えたらウェブ活用は必須です。これが基本となる心構え。そして、どうせ社長として外部の人間に会ったりもするのだから、ネット上に顔出しをしていく覚悟を持つということも大切です。そういったもろもろの心構えがなければテクニックも無駄になってしまいます。ウェブ活用して人材確保をする零細企業社長としての心構えが、知識や技術よりも大切です。

社長の考えに共感する人を採用する【零細企業が人材を確保するために】

人事コンサルタントの永江です。
零細企業が人材を確保するためにできる施策について、今回は「社長の考えに共感する人を採用する」ということについてです。

「優秀な人」ではなくて……

まず、やってはいけない採用の仕方として、「できるだけ優秀な人を採用しよう」とすることがあります。優秀な人材を採用して何が悪いと言われそうですが、これはコンセプトの問題です。結果的に優秀な人が採用できればそれに越したことはありません。でも、最初から「優秀な人を採用するぞ」と考えて作戦を立てるのが良くないということです。
会社が採用すると良い人は、優秀な人ではなくて、会社や職種にマッチした人です。業種業態、立地、サイズ感、などたくさんある会社の特徴と、同じく無数に挙げられるであろう職種の特徴に合っている人を採用できると良いんです。さらに合わせて考えたいのが今日のテーマである「社長の考え」に共感できることで、これがあるとないとでは、零細企業の人事がうまくいくかどうかで大きな差が生まれてしまいます。

小さな会社の魅力は社長の魅力

そもそも小さな会社の魅力とは何でしょうか。これは視点によって違います。顧客から見たらどうなのか、ということは営業的に考えると思いますが、さて、従業員が思う「うちの会社の魅力って」となるとそれは何でしょう。事業内容、仕事内容、いろいろあるのは間違いありませんが、けっきょく人が「そこに居たい」と思う魅力は人にあると思います。そして、居たいと思える魅力を絶対に発すべき人は社長さんです。会社が小さいと社長と従業員の距離は近くなります。社長が言うこと、考えていること、なんとなくとっている動作の雰囲気などが、意外と従業員にとっての魅力、あるいはその反対である嫌なことになり得ます。そして、社長の魅力は社長の価値観も含んでいるので、その棚卸をしてから採用業務を考えるのが良いのではないかと思うのです。

社長だけが出来る「なんとなく」の判断

私が人事部長をしていたときに、最終的な採用判断は社長といっしょにしていました。少なくとも正社員としての採用については、私だけの考えで採用を決断したことはありません。最終面接までの途中段階で不採用を決断することはありましたが、採用の最終判断をすることはありませんでした。
社長といっしょに考えるときに、私は私の考えをなるべく論理的に説明します。でも、社長が論理的に私に説明してくれる必要はないと私は考えていました。今でも、社長というものは論理的な判断じゃない採用をしてもいいと考えています。なぜなら、社長が「なんとなく良い」と思った人は社長がなんとなく好きになった人だからです。社長と波長が合うとか、価値観が近いとか、考え方が似ているとか、はっきりとは言えない定性的な事柄で「社長と合っている」と言えるだろうと思うからです。だから、人事スタッフは論理的に考えて意見を言うのがいいと思いますが、特にスタッフとの距離が近い小さな会社の社長さんは「なんとく」で採用の判断をしても良いのです。

共感してくれることの重要性

一口に会社を経営するといっても、何かの事業をやっていくといっても、その中での判断や決断に正解はありません。同じ条件下でなにかの事業をやったとして、経営者が違えばやり方や方針などのすべてが違ってくるはずです。だから、社長が判断することに対してスタッフが反対意見を述べることがあります。このときに、決して反対意見を封殺してはいけないのですが、正解が無いなかでの最後の最後の判断は社長がすべきなのは当然です。そして、自分が行った判断に対してよりも、判断するまでの価値観に対して共感してくれるスタッフが居てくれることはかなり価値のあることだと考えます。なぜなら、ちゃんと経緯を伝えさえすれば、自分の意見が採用されなかったとしても、納得してくれる可能性がずっと高いと思えるからです。
価値観がまったく同じ人など居ません。でも、「おれは、こう思って、こう考えて、こう判断したんだよ」と言ったときに、「僕の意見とは違いますが、でも、社長の考えもわかります」と言ってくれるなら納得して仕事をしてくれるでしょう。この「社長の考えもわかります」が大事だと考えていて、それが「社長の考えに共感する人」ということです。零細企業、小さな会社の社長さんは、優秀な人を採用しようと考えるのではなく、「社長の考えに共感する人」に出会える確率を高めることを考えるのが良いんです。

人事に関するコンセプトの策定【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
今日は、人事に関するコンセプトの策定について。

あたりまえだけど相手に立場で考える

本当にいろいろなところで、私も子供のころからあちこちで「相手の立場に立って考えよう」と言われます。これぞ「ザ・正義」くらいのノリで間違いない真実であるかのごとく言われます。そして、このことは人事に関するコンセプトを考えるときにも有効です。というよりも、そもそも「相手の立場で考える」ほうが人事のことを考えるときに良くて、ならばコンセプトを考えようかとなるわけですが、この際、思考の順序はどうでもいいです。とにかく、相手の立場にたって人事に関するコンセプトを策定することを零細企業の社長さんにはオススメをいたします。

社長は方針を自分で考える

基本的に零細企業の社長さんは自分の頭で会社の方針を考えます。考えるべきです。経営理念でも、営業の方針でも、設備投資の判断でも、自分の頭で考えて決断します。会計のことを会計士さんに相談したり、助成金に関して社労士さんや行政書士さんに相談したりすることはあっても、決めるのは自分だから自分の会社の方針は自分で決めるのが当然です。

人事のコンセプトを自分で考える落とし穴

人事に関するコンセプトも社長が自分で考えればいいのですが、そこにちょっと気をつけないといけない落とし穴があります。それは、「働くスタッフは自分と異なる価値観を持っている」ということです。つまり、なんだかんだいって別の個体の人間ですから価値観がちがって当然であって、そこで「相手の立場で考える」ほうがうまくいくことが多いという考え方です。
「会社の魅力はここにある」「うちの会社の強みと弱み」「社長が掲げる経営理念」などはもちろんきちんと考えていることでしょう。でも、それを、その言葉を、同じ文言を目にしたとしても他人の受け止め方が自分とはちがうかもしれないということも頭に置いておいたほうがいいように思います。よくあるのは、他者から見て魅力に感じる会社の特徴を、社長自身はそれほど良いところだと感じていないところだったりすることです。だから、人事のコンセプトを自分で考えるのはいいのですが、自分の感性だけで考えると落とし穴にハマることがあって、相手の立場で考えるが有効だと考えます。

志望動機をつくってあげるイメージ

採用活動でいえば、魅力を伝えた中から志望動機を見つけてもらうというよりも、求職者から見た志望動機を一緒につくってあげるイメージで魅力を考えるのが良いです。志望動機をつくろうと考えればそれはすなわち「相手の立場で考える」ことになるし、意外と気づかなかった自社の魅力に気づく機会になるかもしれません。そのためには求職者のペルソナ設定も必要ですが、とにかく作業のイメージとしては、「志望動機をつくってあげる」というのが良いと思います。

誰を採用するのか

採用に関しての方針を考えるということも、人事に関するコンセプト策定で重要なことです。そして、最低な採用方針のひとつに「なるべく優秀な人を採る」というものがありますが、こんな考え方はぜったいにしないでください。ダメです。優秀な人ってなんなんでしょうね。基準があいまいすぎて失敗します。
では、どういう採用方針が良いのかというと、基本的には社長の価値観に共感してくれる人です。大企業になってくればまた話がちがいますが、零細企業ならこれはすごく大切なことです。社長の価値観に共感してくれる人ならば、いろいろな方針に対しての理解も速いです。比較的に本音で話もできるのではないかと思います。もちろん、やってもらう業務における能力の有無も重要ですが、価値観よりは後天的になんとかなるはずです。だから、極端な言い方をすれば、採用理由として社長が「なんとなく好きだから」でも良いんです。それはおそらく価値観の近さを感じたものだから。

 

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