思考力トレーナーの永江です。
小学生の算数では、
数と図形の概念について基本的な理解をすることと、
簡単な応用ができるようになることが目標になっています。
算数は将来の数学につながるものとして、
理系的、左脳的、論理的な思考が必要だと考えられがちですが、
小学生、特に低学年で身につけるべきなのは、
むしろ右脳的な感覚で理解する能力です。
たとえば、
1という数と2という数の関係性は、
同じ大きさの2つの物体を並べることによって説明でき、
これの理解は明らかに感覚的なものだと言えます。
「あ、同じものがもう1つあると『2』になるんだ」
ということは、理論ではなくて感覚で腹落ちさせます。
同じように、
加減乗除(足す、引く、掛ける、割る)という四則演算は、
低学年の間に理論で説明しても分かりづらく、
絵や図形で示したほうが納得できるはずです。
だから、小学生の教科書には、
絵やイラストを頻繁に使用してあります。
したがって、
小学生の算数の勉強には感覚的な要素を取り入れるべきで、
数字と記号だけをならべた計算式ばかりを見せていては、
できない生徒をどんどん増やしていく結果になりかねません。
例えば九九をおぼえるために暗唱させるのは良いのですが、
ちゃんと縦横に並んだイラストなどを意識させて、
掛け算というのはどういうものかを感覚で理解させましょう。
そうはいっても計算の練習問題などは、
ひたすら数字と記号が続いていきます。
このときにどういう勉強方法が相応しいのかといえば、
計算の過程や答えの書き方に注意をするのです。
数字の桁をそろえるとか、
記号の位置が縦にそろえるように書くとか、
そもそも数字や記号を丁寧にきれいに書くとか、
きれいであることを感覚的に好むようにしていきます。
つまり、
計算練習における「手習い」「習字」のようなイメージです。
小学生、特に低学年の算数の勉強には、
見た目の形、美しさを意識した、
感覚的な能力を鍛えるような勉強方法が良いのです。