社長がやる情報発信の注意【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
最近では、社長さんがFacebookなどのSNSを活用するのも珍しくありません。
でも、どんな便利なツールにもいえることですが、やっぱりSNS活用には注意したほうがいいことがあります。

Facebookにありがちな投稿の傾向

私が見ている範囲ではありますが、Facebookに代表されるような実名型のSNSは、あるていどプライベートを晒すような投稿が多いです。人によっては仕事のことよりも、休日に誰とどこに行ったとか、誰とどんな食事をしたとか、そういう内容が多いです。上手な人はそういう内容の投稿からもうまく仕事につなげるのですが、単にプライベートを明らかにしているだけの人もいらっしゃいます。

これは、Facebookの仕組みにも起因していると思うのですが、「いいね」をなるべく多くもらいたいということが理由のひとつになっているのではないかと考えています。つまり、明確に仕事のこと、特に宣伝めいた投稿をすると「いいね」が少なくて、楽しく食事をしている様子なんかをアップすると「いいね」が多くもらえるのです。同じように投稿するなら反応が多くもらえるほうが嬉しいし、それで、「いいね」をもらえる可能性の高いジャンルの投稿が多くなるんだと思います。

目的は何かを忘れないように

私自身が自分に言い聞かせていますが、「楽しい」という感情とともにやっていることの目的を見失わないようにしたほうがいいです。Facebookで自分の事業を広く知ってもらおう、そのために頻繁に投稿しよう、でも、「いいね」を多くもらえるのは食事の投稿だ、だから……。となるのは理解できるし、それ自体は悪いことではありません。でも、目的を見失いがちになるので注意しましょう。

食事の投稿をしても、プライベートを晒しても、それで「いいね」をたくさんもらってSNS上で交流をふかめ、その先に事業のアピールをするということなら良いです。でも、いつの間にか「いいね」を多くもらうことが目的になってしまって、事業的なメリットにつなげることを忘れてしまってはいけません。たまにそういう人をお見かけします。繰り返しますが目的を忘れないようにしましょう。

情報発信の全般にいえる注意点

相手が明確な情報発信は、その目的を忘れにくいように思います。たとえば取引先の担当者に情報を伝えるというときに、伝えることの目的を見失うことは稀なのではないでしょうか。しかし、インターネット上のSNS等による情報発信は相手がハッキリとはしていなくて、あいまいで不特定多数だったりします。そうするとメッセージ性がぼやけてしまって、目的から外れた情報発信になってしまいます。そうならないためにも、不特定多数が見るような媒体であっても、ちゃんと相手を明確に想定して発信していくようにしましょう。ここでもペルソナ設定は重要です。

 


 



最近の求人媒体で有力なもの【零細企業が人材確保を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
先日、ある地元企業の社長さんが中途採用をするということでハローワークに行かれたそうです。
そして求人票を出してみると……。

ハローワーク求人から、想定以上の反応が

その社長さんが求人票を提出されて、翌日には問合せがあったそうです。そして、選考のための書類を送ってもらう連絡をしたりしているうちに、1週間で6件の応募があったそうです。実はこの社長さん、人材確保に苦労していて、今までは地元求人誌などに有料で掲載をしていました。でも、求人を開始してすぐにこれほど応募あるなら、もっと早くハローワークに出せばよかったとおっしゃっています。

最近の石川県は求人状況が良くて、ハローワークの端末も待ち時間がほとんどないという話も聞きます。社長さんもその情報を得ていたらしく、だから求人票を出しても応募は無いだろうと思っていたそうです。以前はハローワークの求人からの応募もたくさんあったが、今でもそうだとは思えなかったということです。実際はそんなことありませんが……。

ハローワークのネット検索

求職している人への支援として、ハローワークのネット検索の利用を勧めることがあります。載っている求人の内容がどうこうじゃなくて、求人情報の項目数がすごく多くて勉強になるからです。有料で広告が掲載できる媒体と比べると、企業が載せられる情報量が非常に多いです。無料のもののほうが情報量がたくさん載せられるという状態です。仕事内容についても頑張って作文すればけっこう詳細なものを掲載できます。

さらに、昔とちがって現在は、ハローワークの求人情報は全国どこにいても同じものを確認できます。本当の昔は、各地それぞれのハローワークにある紙のファイルを見るしかありませんでしたが、今は本当に全国のどこにいても、です。家でも見られます。出先でも見られます。もちろんハローワークの端末でも。だから、仕事を探そうとする人が情報にアクセスしやすくなっていて、そういう意味では、見つけてもらいやすくなっているということですね。

ハロワ掲載情報からの広がり

前述の社長さんからさらに聞いたことです。ハローワークに求人票を出したあと、複数の求人情報系サイトから「うちにも掲載しませんか」という問合せが来たそうです。その中には無料で掲載できるものもあって、それはすぐに掲載してもらったそうです。求人情報サイトの営業(?)さんもハローワークの求人情報をチェックしていて、新規で掲載された企業さんに対してそういった連絡をしているもようです。

そうすると、ハローワークに掲載したことによって、単にハローワークで求人を探している人だけではなく、他への広がりが期待できます。実際に、掲載場所は広がったし、求人情報を見つけてもらえる可能性も広がりました。無料のものだからといってバカにできません。無料であるのは収益モデルが直接的じゃないだけで、十分に効果が得られます。職種や地域によっての差異はあると思いますが、無料なのだから試してみても損はないのではないでしょうか。

逆にいうと、求人をしている企業さんから直接に掲載料をいただく形の旧型媒体は厳しいかもしれませんね。私もこうやって無料のものをお勧めしてしまっていますし……。でも、求人をする企業さんにとっては効果の高さこそが重要な点ですから、もし、ハローワーク求人およびネットの無料掲載媒体を使っていなければ、ぜひ試してみてください。

 


 



人が足りないのか、仕事に無駄があるのか【零細企業の人事】

人事系コンサルタントの永江です。
北陸地方は人手不足が顕著で、有効求人倍率も全国平均を上回っているそうです。企業の人事担当さんのニーズとしても人材育成よりも、まず採用を優先するという傾向があるそうです。

人員不足を感じるとき

今いるスタッフで10の仕事をしているとして、そこにプラス2の仕事のオファーがあったら、1.2倍くらいなら残業でなんとかしようとするかもしれません。でも、プラス5、プラス7と増えていきそうに思えたら人員の補充、つまり採用を考えると思います。単純に、人数によってまかなえる仕事量に対して、受注の見込みが大きくなってきたら人員の補充を考えるでしょう。

あるいは、事業の拡大を想定したら、とうぜん今のスタッフでは不足するでしょうから、育成期間のことも考えてあらかじめ人員を増やしておくということも考えられます。この場合は、当面の人員不足というより、未来においては今のままでは不足するという予測からくる対応です。

本当に人が不足しているのか、仕事に無駄はないのか

人員の不足を感じたときに、人材の採用で対応しようとするのは自然なことです。でも、どんなに急いでも人員の充足には週単位、場合によっては月単位の期間が必要です。どうせそれくらいの時間がかかるのなら、その間に、仕事に無駄はないのかという検証をしてみることをお勧めします。

現場でいつも頑張っている自覚のある人は、仕事に無駄がないかと問われると「そんなことありません!」と強く反発するかもしれません。でも、仕事の無駄というのは、その仕事の近くにいる人の「感覚」では測りづらいものなのです。自分自身の感覚では一生懸命にやっているつもりだから無駄なんて考えられない。こういう考えは当然といえば当然です。

仕事の効率性は客観的に数値化する

生産性や効率性については、経営分析の中でいろいろな指標が登場します。そのいずれもが、客観的であり数値化された指標を活用するよう教えてくれます。一人あたりの付加価値の創造度合いや、チーム単位での生産能力など、単位やカテゴリ設定でいろいろ考えられます。

経営の中で人に対する部分は数値で表せない要素もありますが、こと仕事に無駄がないかどうかという部分は、逆にドライに客観的にし考えたほうが良いです。そうしないと、「がんばっているよ!」という非常に感覚的な一言にじゃまをされて正しい状況判断ができません。数値化をする。そのために客観的な方法をとる。

 

仕事の効率や生産性を明確にすることは、最終的には一人ひとりの従業員がゆとりを持って働くことにもつなげられます。別に効率の悪さをあげつらって糾弾するのが目的ではありません。新しい人を採用するとそれなりに現場にも負荷がかかるし、もしかしたら会社全体の人件費割当を考えると既存スタッフの給料にも悪い影響があるかもしれません。

採用を止めるのがいいとまではいえませんが、採用を考えるときに、同時に、仕事の無駄についてもちょっと考えてみてはいかがでしょうか。

面接での違和感を放置しない【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
今日は、零細企業の社長さんが採用面接するときのお話についてです。

何がどうかと言われると困るような小さな違和感

人と話しているとなんとなく違和感を感じることがあります。論理がつながっていないけど、明確をそれを指摘できるほどでもない。言っていることが違っているけど、何がどう違うのか分からない。どこにどう違和感を持ってしまったのか分からないからこその違和感なのであって、説明ができたとしてもそれは後になってからだったりします。

採用面接をしていてもそういうことがあって、私が人事部長として面接をしていたときもありました。なんとなく感じる「ダメなんじゃないかなぁ」という思い。でも、他の面接担当者が採用の方向で考えを主張しているのに対して、こちらは言語化した反論ができないでいる。人が議論や検討をするときに言語化できない感覚は主張が弱いので、そのまま採用になることもありました。

違和感を放置してしまったケース

本当に、今になって思えば、あのときに違和感の正体を同席したメンバーにも一緒に考えてもらえばよかったです。採用したあとに分かった違和感の正体は「分かったような返事をしながら、実は分かっていないことが多い。」というものでした。面接のときの受け答えが良かったのですが、実はこちらの話をしっかり理解してのレスポンスではなかったんです。

そこに気づかなかったので、口頭による説明を理解して反応することが必要な部署に配属をしました。そして、その配属がうまくいきませんでした。あのとき感じた違和感を放置してしまったために、何人もの人が少しずつ不幸を抱えました。その後どうなったのかは伏せておきます。

違和感を追求したケース

逆に違和感を持ってそれを追求したケースですが、これは現在のクライアント企業さんでのお話です。社長さんが面接をして、何か違和感を持ったそうです。そして、それが何かを面接の中で自己追求するための質問をいくつかしていきました。違和感の正体は、業務に必要な知識について不十分であったということだそうです。「◯◯はできます」と言って応募してきたのですが、本人が思っているよりも会社が求めるレベルが高かったということです。

会社が求めるレベルと応募者が考えるレベルがズレていたのが原因です。本人はできると思って「大丈夫です」と主張していました。油断するとそのまま採用してしまいそうなケースです。でも、社長はなんとなく持った違和感を追求して、求人票に示した要件の説明がうまくなくて、どんなレベルで知識が必要なのかについて勘違いをさせていたと謝罪をし、その人は不採用となったそうです。

社長は感覚で面接をしてもよい

私は基本的に零細企業の社長であれば感覚で面接をして、感覚で判断をしていいと思っています。小さな会社の舵取りをするときに、社長が持つ感性の影響力が大きい方が良いと考えるからです。たとえばたった数人ていどの組織において、何が正解なのかを判断しづらい問題は、社長の責任で、社長の感性で判断するしかないことが多いからです。

もちろん、感性で判断して会社を傾かせてはいけません。だから、感性とともに理論や理性を加えて判断するのは当然です。でも、理論の及ばない最後の最後の部分で感性を使った判断も良いということです。

だから面接で違和感を感じたら、その違和感を信じて放置しないことも大切なのではないかということです。実際に私が放置した違和感は判断の失敗につながっています。もちろん違和感が杞憂に終わることもあるでしょう。それは違和感の正体を突き止めればいい話です。面接で違和感を感じたら、それは放置しないのが良いかと思います。

育成もちゃんと考える【零細企業が人材を確保するために】

石川県を基盤にして零細企業の支援をしている永江です。
零細企業の社長さんが人材確保を考えるときのヒントとして、今日は「育成することも考えよう」というお話をさせていただきます。人材確保というと採用に目が行きがちな人があるていどいらっしゃって、実際に私から「そうではないよ」というお話をさせていただくこともあります。

即戦力はコスト高

正直いってしまうと即戦力となるスタッフを中途採用で雇用しようと思うと、なかなかにコスト高になってしまいます。採用のための手間もかかるし、それなりの給料も設定しなければなりません。もちろん育成なんてしている暇がないということもあるでしょうが、出せる費用にもやっぱり限度があると思います。

経験があったり知識や技術があったりするとすぐに働き手として役に立ちます。でも、その「すぐ」のためにいくらでもお金を用意できるわけではないならそのコストについてちょっと考えたほうがいいかもしれません。それよりも、未経験であっても社長の価値観に共感できる人材を採用して、しっかり育成したほうがけっきょくは手間もお金もかからないかもしれません。

採用時には伸びしろを見たい

そうすと、他の記事にも書いたことですが、採用時には価値観が基準になってきます。そしてもうひとつ可能であれば評価したいのが「伸びしろ」というものについてです。つまり、その人を育成していったらどれくらいのレベルのスタッフになるのかということです。今の能力ではなく、未来の能力を推定して採用を考えるということになります。

これは実際には簡単ではないと思います。何十人あるいは何百人と接してきた人事マンでも難しい評価だし、まして零細企業の社長さんがその判断力を養う機会が多くあるわけでもありません。しかし、そうはいっても大事なことなので、まずはいったん採用活動の心構えとして「伸びしろを見る」ということを考えてください。

放置しないで従業員教育を考える

小さな会社の社長さんは、ふだんからなかなか忙しくて従業員教育に携わる暇がないことが多いと思います。そのため、仕事のやりかたをあるていど理解させたらあとは放置で自然に成長するのを待つことも多いのではないでしょうか。これだとなかなか従業員が成長しないのであまりお勧めはいたしません。

ちゃんとした研修を受けさせるとかトレーニングの時間を設定するとかまではしなくても良いです。とにかく放置をしないこと。たとえば、1週間の課題をあたえてそれを仕事の中でのチャレンジとする。週末に必ずその出来ぐあいをチェックする。これだけでも教育効果はしっかりあります。放置をしない。そして従業員教育は、まず考えるということ。これも人材確保のひとつの方法として使ってください。

人脈を広げる【零細企業が人材を確保するために】

零細企業の人事をお手伝いするコンサルタントの永江です。
これは私のクライアントさんや知り合いの人で、実際に零細の社長さんとしてうまく人材育成ができている人たちのすべてに言えることです。みなさん、とにかく、良い人脈をお持ちです。やはり、なんだかんだいってビジネスにおいて人脈というものは非常に価値の高い資産だといえると思います。

どの方向に人脈を広げるのか

最初に考えなくてはいけないことは、どの方向に自分の人脈を広げるのかということです。やみくもに知り合いを増やすだけだと効率も悪いし、効率が悪いということは、まったく無駄になってしまうような手間をかけてしまうということでもあります。どういう人と知り合い、その人たちとどう付き合っていきたいのかということを考えておく必要があると思います。

純粋に人事のこと、人材を確保することだけにフォーカスをするのであれば、実際にその分野で成功している人に会えるような場を探しましょう。経営者の集まり、勉強会、セミナー、朝活のような催しも可能性があります。そして、さらに絞って採用について考えているならば、学生さんとつながりを持てるイベントなども考えてみてもいいかもしれません。昨今では学生さんが社会的な活動をする機会も少なくないので、そういう催しを探してみてもいいです。

うまくいっている経営者に出会う

自分と同じような零細企業を経営していて成功している社長さんには、既存の会合や集まりに参加する方法で会えます。某、朝の早くから活動をしている団体さんでもいいし、商工会議所のような団体さんでもいいし、小規模事業者向けのセミナーに参加してみるのも良いかもしれません。そういうところに参加をして、いろいろな話を聞いてみましょう。最初は狙ったような人に会えないかもしれませんが、ちゃんと意識を持っていれば回を重ねるうちに会えます。会えるというか、自分が求めるような人を見つけるセンサーが磨かれるという言い方が正しいかもしれません。

もちろん、既にそういうなんらかの会に参加をしている人もいると思います。でも、現状で何かの課題を持っているなら、何かを変えなくてはいけません。いま参加している集まりの中で見本となる経営者さんに出会えていないのであれば、外に出てみる機会だと考えてみましょう。基本的に、課題を解決するために必要なことは、「今やっていない行動」です。

学生さんに出会う

新規採用を考えてみると、学生さんに会ってみるのは良いことです。おそらく新しい人を採用しようと考える零細の社長さんなら、若い人に来てほしいと思っているはず。だから、学生さんの考え方を聴いてみるのも価値があります。

個人的に私がお勧めをしている出会い方は、インターンシップの受け入れです。やったことがない社長さんにはかなりハードルが高いと思います。でも、実際に若い人を身近に置いてその考えを見てみたり、若い人に指導をする練習にもなります。数日ていどの日程であれば、実はやりようによってそれほど難しいものではありません。私のクライアントさんでも、毎年、数人のインターンシップを受け入れている会社があります。そして、今年はそこから新規採用につながりました。

インターンシップ以外にも、学生さんが主催するイベントに参加して、できればその運営をしている学生団体とつながると良いです。何かの支援をしてあげるようになってもいいし、単に意見を交換する場を設けてもらうだけでもよいです。そこから若い人に自社を知ってもらうことができるし、自分の人柄から会社の良いイメージを持ってもらうための布石にも出来ます。マイナーが業界であれば、何かの機会にプレゼンをさせてもらってもいいですね。イベントをやっているような学生さんなら、知らない職業や仕事に対しても興味をもって見てくれます。

SNSとリアルの連携

ある人と出会って、その後にその人とつながりを続けたいと思ったら、何かしらの用事をつくって連絡をとりましょう。そのうち、そのうちと思っているとあっという間にこちらのことなど忘れられます。私がよく言うのは「後朝の文」作戦で、会った次の日あたりにメールをします。メールだと大仰だと思う人は、FacebookなどのSNSを使ってみるといいと思います。

SNSの使い方にもいろいろありますが、いちど会った人と、その後もずっと自然に交流ができて覚えてもらいやすい、忘れられにくいということがあります。自分がふだんどういうことをしているのか、その人がいつもどんなことをしているのかも分かります。もちろんすべてを公開しているわけではないですが、逆にいえば、こちらのイメージもこちらでコントロールして良いものとして伝えられます。そして、何かの機会をつくって、「あ、久しぶり!いつも見ていますよ」という感じで親しく話しましょう。人脈を維持しやすくしてくれるツールとしてSNSを活用し、リアルで接触することと連携していきましょう。

ウェブの施策【零細企業が人材を確保するために】

人事コンサルタントの永江です。
零細企業が人材を確保するためにできる施策について、今回は、人材確保の観点からウェブをどう活用するのかということを考えます。

まず大切な最初のポイントは、ウェブを使わないという選択肢はないということです。零細企業の社長さんは忙しくて、事業内容や仕事の内容からウェブから縁遠い人も少なくないと思います。電話とFAXで仕事はできるし、インターネットもたまに見るくらいで充分という方も多いはず。でも、今の時代に人材をしっかり確保しようと考えたらウェブは必須と思ってください。

落としどころはホームページ

やれFacebookだ、やれInstagramだ、と、いわゆるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用が盛んです。仲間内での連絡であれば、もはやE-メールすら古いものになりつつあります。ウェブを活用して云々というと、これらSNSの活用方法に目が行きがちな人もいるのではないでしょうか。でも、ウェブ活用で人材確保を考えるときに、最初にとりくんで構築していただきたいのは、独自ドメインのホームページです。

独自ドメインというのはインターネット上の住所のようなものを自社で持つということです。いまご覧いただいているウェブページなら「manabuki.com」というのが独自ドメインです。有名なところでは、「yahoo.co.jp」というのが日本のヤフー!のドメインですし、「toyota.jp」はトヨタのドメインです。

この独自ドメインは年間費用にして数百円ていどから持てるもので、インターネット上にしっかりと自社の「居場所」を確保することになります。たとえば学生さんがちょっと興味を持った企業を調べようとするとネット検索をするのは当たり前になっているので、そのときに「ちゃんとした会社」と思われやすくなるというメリットがあります。たとえば誰かにある飲食店を勧められたときに、そのお店の名前でネット検索をしたとします。お店の情報が、食べログとか、Hot Pepperとか、そういうところにしか掲載されていないよりも、ちゃんと自分のお店の独自ドメインで自社のホームページを持っているほうが、しっかりした経営・運営をしているような感じがするものです。それと同じで、インターネットで会社の情報を見てもらうなら独自ドメインのホームページを持ちましょう。

社長さんの思うとおりに情報を扱えるのが独自ドメインのホームページですが、これを持つのが難しいというイメージはまだ残っています。でも実際はそうではなくて、非常に簡単に自社のホームページが持てるようになりました。ほんとに便利な世の中になったものです。最低限の会社情報を掲載するだけなら、初心者でも半日もあれば大丈夫です。インターネットを使ってあなたの会社を調べた人が、最終的にたどりついて、なんなら問合せしてくれる窓口になるものとしてホームページを持ちましょう。

網を広げるのがブログ

ブログというのはネット上にある日記のようなものです。最初にちょっとやり方を覚えれば、簡単に会社に関する情報の記事をネット上に存在させることができます。そして、基本的にブログは1記事につき1つのウェブページとなります。たとえば1日に1記事を投稿したとすると、1年間で365のウェブページが追加されることになります。この数がインターネットの世界では有効になってくるのです。

将来あなたの会社に入社してくれるかもしれない人はネット検索で自分が興味を持っているキーワードについて調べています。会社の事業に関連ある言葉、福利厚生に関係ある言葉、所在地に関係ある言葉、いろいろな言葉で検索します。そのときに、インターネット上にページが多くあるほうが見つけてもらいやすくなります。イメージとしては、まさにインターネット上に網をしかける感じで、それをどんどん広げていくのがブログの役割ということです。そして、そのブログが独自ドメインの中にあれば、「なんとなくちゃんとしていそう」というイメージと、「見つけてもらいやすい」というメリットが同時に得られるようになります。

SNSでファンを醸成する

ファンといっても、熱烈な追っかけみたいなものではありません。そういうふうになってもらってもいいのですが、もうっちょっと軽い感じで、「なんとなくあの会社が気になる」という程度でいいです。私の経験と、私のまわりにいるたくさんの知り合いの経験から考えると、SNSで日頃のさまざまな行動を発信していると、自然と人柄を想像してもらえるようになります。それが悪いイメージのものだと良くないのは当然ですが、社長の人柄がネット上に印象として表現されていくということです。

ネット上に存在する社長の人柄のイメージは正確である必要はありません。もちろん正確なほうがいいのですが、狙って正確にするのも人によっては難しいです。それよりも、ちゃんと実在する人間として社長の人柄を「なんとなく」感じてもらって、「あの人、知っている」という状態になってもらうのがいいです。同じ情報であっても受け取り方は人それぞれで違いますから、どう受け取られるかは相手に委ねます。とにかく、「知らない人」から「知っている人」になって、ライトな「ファン」を醸成するのにSNSを使いましょう。

テクニックよりも心構え

ウェブ活用を有効に行っていくためのテクニックはいろいろとあります。私が使っているものもあれば、まだ知らずに活用できていないものもあると思います。でも、大切なのはそういったテクニックを知っていることではなくて、ウェブ活用で必要な心構えを持っているかどうかです。最初に書いたように、零細企業の社長が人材確保を考えたらウェブ活用は必須です。これが基本となる心構え。そして、どうせ社長として外部の人間に会ったりもするのだから、ネット上に顔出しをしていく覚悟を持つということも大切です。そういったもろもろの心構えがなければテクニックも無駄になってしまいます。ウェブ活用して人材確保をする零細企業社長としての心構えが、知識や技術よりも大切です。

社長の考えに共感する人を採用する【零細企業が人材を確保するために】

人事コンサルタントの永江です。
零細企業が人材を確保するためにできる施策について、今回は「社長の考えに共感する人を採用する」ということについてです。

「優秀な人」ではなくて……

まず、やってはいけない採用の仕方として、「できるだけ優秀な人を採用しよう」とすることがあります。優秀な人材を採用して何が悪いと言われそうですが、これはコンセプトの問題です。結果的に優秀な人が採用できればそれに越したことはありません。でも、最初から「優秀な人を採用するぞ」と考えて作戦を立てるのが良くないということです。
会社が採用すると良い人は、優秀な人ではなくて、会社や職種にマッチした人です。業種業態、立地、サイズ感、などたくさんある会社の特徴と、同じく無数に挙げられるであろう職種の特徴に合っている人を採用できると良いんです。さらに合わせて考えたいのが今日のテーマである「社長の考え」に共感できることで、これがあるとないとでは、零細企業の人事がうまくいくかどうかで大きな差が生まれてしまいます。

小さな会社の魅力は社長の魅力

そもそも小さな会社の魅力とは何でしょうか。これは視点によって違います。顧客から見たらどうなのか、ということは営業的に考えると思いますが、さて、従業員が思う「うちの会社の魅力って」となるとそれは何でしょう。事業内容、仕事内容、いろいろあるのは間違いありませんが、けっきょく人が「そこに居たい」と思う魅力は人にあると思います。そして、居たいと思える魅力を絶対に発すべき人は社長さんです。会社が小さいと社長と従業員の距離は近くなります。社長が言うこと、考えていること、なんとなくとっている動作の雰囲気などが、意外と従業員にとっての魅力、あるいはその反対である嫌なことになり得ます。そして、社長の魅力は社長の価値観も含んでいるので、その棚卸をしてから採用業務を考えるのが良いのではないかと思うのです。

社長だけが出来る「なんとなく」の判断

私が人事部長をしていたときに、最終的な採用判断は社長といっしょにしていました。少なくとも正社員としての採用については、私だけの考えで採用を決断したことはありません。最終面接までの途中段階で不採用を決断することはありましたが、採用の最終判断をすることはありませんでした。
社長といっしょに考えるときに、私は私の考えをなるべく論理的に説明します。でも、社長が論理的に私に説明してくれる必要はないと私は考えていました。今でも、社長というものは論理的な判断じゃない採用をしてもいいと考えています。なぜなら、社長が「なんとなく良い」と思った人は社長がなんとなく好きになった人だからです。社長と波長が合うとか、価値観が近いとか、考え方が似ているとか、はっきりとは言えない定性的な事柄で「社長と合っている」と言えるだろうと思うからです。だから、人事スタッフは論理的に考えて意見を言うのがいいと思いますが、特にスタッフとの距離が近い小さな会社の社長さんは「なんとく」で採用の判断をしても良いのです。

共感してくれることの重要性

一口に会社を経営するといっても、何かの事業をやっていくといっても、その中での判断や決断に正解はありません。同じ条件下でなにかの事業をやったとして、経営者が違えばやり方や方針などのすべてが違ってくるはずです。だから、社長が判断することに対してスタッフが反対意見を述べることがあります。このときに、決して反対意見を封殺してはいけないのですが、正解が無いなかでの最後の最後の判断は社長がすべきなのは当然です。そして、自分が行った判断に対してよりも、判断するまでの価値観に対して共感してくれるスタッフが居てくれることはかなり価値のあることだと考えます。なぜなら、ちゃんと経緯を伝えさえすれば、自分の意見が採用されなかったとしても、納得してくれる可能性がずっと高いと思えるからです。
価値観がまったく同じ人など居ません。でも、「おれは、こう思って、こう考えて、こう判断したんだよ」と言ったときに、「僕の意見とは違いますが、でも、社長の考えもわかります」と言ってくれるなら納得して仕事をしてくれるでしょう。この「社長の考えもわかります」が大事だと考えていて、それが「社長の考えに共感する人」ということです。零細企業、小さな会社の社長さんは、優秀な人を採用しようと考えるのではなく、「社長の考えに共感する人」に出会える確率を高めることを考えるのが良いんです。

人事に関するコンセプトの策定【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
今日は、人事に関するコンセプトの策定について。

あたりまえだけど相手に立場で考える

本当にいろいろなところで、私も子供のころからあちこちで「相手の立場に立って考えよう」と言われます。これぞ「ザ・正義」くらいのノリで間違いない真実であるかのごとく言われます。そして、このことは人事に関するコンセプトを考えるときにも有効です。というよりも、そもそも「相手の立場で考える」ほうが人事のことを考えるときに良くて、ならばコンセプトを考えようかとなるわけですが、この際、思考の順序はどうでもいいです。とにかく、相手の立場にたって人事に関するコンセプトを策定することを零細企業の社長さんにはオススメをいたします。

社長は方針を自分で考える

基本的に零細企業の社長さんは自分の頭で会社の方針を考えます。考えるべきです。経営理念でも、営業の方針でも、設備投資の判断でも、自分の頭で考えて決断します。会計のことを会計士さんに相談したり、助成金に関して社労士さんや行政書士さんに相談したりすることはあっても、決めるのは自分だから自分の会社の方針は自分で決めるのが当然です。

人事のコンセプトを自分で考える落とし穴

人事に関するコンセプトも社長が自分で考えればいいのですが、そこにちょっと気をつけないといけない落とし穴があります。それは、「働くスタッフは自分と異なる価値観を持っている」ということです。つまり、なんだかんだいって別の個体の人間ですから価値観がちがって当然であって、そこで「相手の立場で考える」ほうがうまくいくことが多いという考え方です。
「会社の魅力はここにある」「うちの会社の強みと弱み」「社長が掲げる経営理念」などはもちろんきちんと考えていることでしょう。でも、それを、その言葉を、同じ文言を目にしたとしても他人の受け止め方が自分とはちがうかもしれないということも頭に置いておいたほうがいいように思います。よくあるのは、他者から見て魅力に感じる会社の特徴を、社長自身はそれほど良いところだと感じていないところだったりすることです。だから、人事のコンセプトを自分で考えるのはいいのですが、自分の感性だけで考えると落とし穴にハマることがあって、相手の立場で考えるが有効だと考えます。

志望動機をつくってあげるイメージ

採用活動でいえば、魅力を伝えた中から志望動機を見つけてもらうというよりも、求職者から見た志望動機を一緒につくってあげるイメージで魅力を考えるのが良いです。志望動機をつくろうと考えればそれはすなわち「相手の立場で考える」ことになるし、意外と気づかなかった自社の魅力に気づく機会になるかもしれません。そのためには求職者のペルソナ設定も必要ですが、とにかく作業のイメージとしては、「志望動機をつくってあげる」というのが良いと思います。

誰を採用するのか

採用に関しての方針を考えるということも、人事に関するコンセプト策定で重要なことです。そして、最低な採用方針のひとつに「なるべく優秀な人を採る」というものがありますが、こんな考え方はぜったいにしないでください。ダメです。優秀な人ってなんなんでしょうね。基準があいまいすぎて失敗します。
では、どういう採用方針が良いのかというと、基本的には社長の価値観に共感してくれる人です。大企業になってくればまた話がちがいますが、零細企業ならこれはすごく大切なことです。社長の価値観に共感してくれる人ならば、いろいろな方針に対しての理解も速いです。比較的に本音で話もできるのではないかと思います。もちろん、やってもらう業務における能力の有無も重要ですが、価値観よりは後天的になんとかなるはずです。だから、極端な言い方をすれば、採用理由として社長が「なんとなく好きだから」でも良いんです。それはおそらく価値観の近さを感じたものだから。

 

オフィスまなぶきでは、人事のことで困っている社長さんのための支援を行っています。
人事に特化した経営コンサルタント

 

会社が欲しがる人材って?

思考力トレーナーで、人事関連コンサルタントをしている永江です。

日本経営士会という団体があって、
これは経営士という経営コンサルタントの団体です。

私は人事部門を専門とする経営コンサルタントとして入会させていただいています。

 

その立場で会社が欲しがる人材とは何かを考えてみると……

 

簡単に言ってしまえば、会社の利益になる人材です。

当たり前ですね。

 

では、
この会社の利益になる人材とはどういう人材かということですが、
私が考えるに、これについての普遍的で具体的な答えはありません。

 

企業はその業種・業態によって利益構造が違います。
モノを作ることによって利益を得る会社。
モノを売ることによって利益を得る会社。
サービスを提供することによって利益を得る会社。
サービスを企画することで利益を得る会社。

さまざまです。

だから、
普遍的かつ具体的な答えというものは無いということになるのです。

 

採用担当の人がよく言う「コミュニケーション能力が必要」という言葉があります。
コミュニケーション能力は必要条件なのであって十分条件ではありません。

それがあったとしても、会社が欲しがる人材とはまだ言えないのです。

それに、コミュニケーション能力が特に必要ない職種もありますからね。

 

学生さんで就職活動をしている人で、残念な感じの人。
「(一般論として)会社が欲しがる人材ってどういうのだろう?」と、
ひとつかふたつの正解を求めようとする人です。

それは、会社によって違います

どの会社にも通用するような人材要件を探して、
とにかくどこかに就職しようと思っているのかもしれませんが、
考え方のアプローチが間違っています。

「僕が行きたいと思う会社で必要とされるのはどんな人材だろう?」
というような考え方が正しいです。

そして、それは、さらに募集職種によって違ったりもします。

 

「会社が欲しがる人材って?」という問いに、
ひとつかふたつの答えを求めるのは間違いです。

 

ただし、「経営」という機能はどこの会社でも比較的に通用します。
この能力が高い人に限っては、あるていど普遍的に、どこの会社でも通用するかもしれませんね。