論理的でロジカルなコミュニケーションを考える

人材育成コンサルタントで
思考力トレーナーの永江です。

ビジネスにおいて論理的なコミュニケーションは欠かせません。しかし、実は論理的でロジカルなコミュニケーションが求められる場面は、ビジネスに限ったことではありません。出来ないとなると様々な問題が起きるし、出来るようになっていればメリットはとても多くて大きいです。論理的なコミュニケーションとはどういうことなのか、そして、その能力を高めるためにはどうしたらいいのかを考えてみます。

論理的であるとはどういうことか

まず最初に、論理的であるということはどういうことなのかを考えてみます。論理が成立しているとか、ロジカルであると聞くと、みなさんはどういうイメージを持たれるでしょうか。なんとなく、筋道が通っているとか、ある説明が次の他の説明に正しく繋がっているとか、そんなイメージを持つのではないでしょうか。そんなふうに、ある事柄が次の事柄に繋がっていて、その繋がりが、正しく妥当であることは論理やロジックの大切な要素です。

しかし、この、一本の道が繋がっているようなイメージは、論理的であることの1つの要素に過ぎません。ものすごく大切なことではあるものの、それだけでは不十分です。その他にも、情報や考えている内容に漏れがないということと、階層的で構造的であるということも重要です。

ロジカルシンキングの話をするときに、漏れがなく、ダブリがないように、と、よく言われます。これも大切な注意点ですが、ダブリをないようにすることよりも、漏れがないようにすることのほうが重要です。なぜなら、ダブリは構造化を考えるときに後から気づきますが、漏れがある状態で思考を進めると、その漏れにはずっと気づかないかもしれないからです。だから、漏れがないようにすることは、筋道が通っていることや構造化ということと同様に最重要事項として考えられます。

そして、階層的な構造化がロジカルであることにとって重要です。私たちが考える対象とすることは、複雑で、いくつもの要素が絡み合って成立しています。部屋の掃除の段取りを考えるていどであっても、そこに存在する情報の種類や量は、10も20も書き出せます。これら多くの情報を整頓するのが階層的な構造化です。図で表すならばピラミッド構造になっていて、それが多元的に整然と並んでいるイメージです。

論理的であるということは、筋道が通っていて、漏れがなくて、階層的な構造化ができているということです。これらがあって始めてロジカルであると言うことができます。

そもそもコミュニケーションとは

さらに、ここで、コミュニケーションということについても、そもそも何なのかと考えてみます。コミュニケーションをとるということは、何かを誰かに伝達したり、逆にそれを受け取ったりすることです。だから、もちろん、相手がいて始めて成立することです。何かの必要性があって、誰かに何かを伝えます。

伝えるものは情報です。情報といっても言語化や数値化ができるものだけとはかぎりません。なんとなく感じる感覚的なことや、言葉では表しきれない思いなども含めます。そういう広い意味での情報を伝えるということがコミュニケーションであるといえるでしょうね。

そうすると、どのように伝えるのかという手段も、本来は多種多様なものになります。私たちが普段のビジネスシーンで使うのは文字情報を中心とした伝達です。でも、大昔の「のろし」や、言葉を使わないアイコンタクトなども、コミュニケーションの手段として考えられます。誰かに何かを伝えられるのであれば、その全てがコミュニケーション手段です。

コミュニケーションとは、誰かが誰かに何かの情報を伝えることです。その情報の種類や伝達の手段は、あらゆるものを含みます。

論理的であることと、心が通っているかどうかということ

ところで、論理的であるというイメージは、もしかしたら、心が通っていない冷たいイメージを頭に浮かべられるかもしれません。ロジカルであるということは人の心の余地を排除していて、気持ちや感情とは別のものであると多くの人が考えているかもしれません。

しかし、実は、本当の意味でロジカルで、論理的に十分な妥当性があるということは、決して心の要素を排除するものではありません。ある事柄について考えて、そこで心や感情も大切な要素であるなら、それを考慮しないのは「漏れがある」ということになります。漏れがあると論理的ではないので、ロジックが成立しているとは言えないのです。

特に、コミュニケーションの問題として論理やロジックについて考えます。論理的なコミュニケーションは、人間どおしの交流でもあります。だから、自分の心のことや、相手の心のことも本来なら含まれるべき大切な要素です。そのことも漏れなく考えていきたいものです。

また、悪い意味で「感情的になっている」ときは、往々にして、心を排除してしまうような狭い意味でのロジックでさえも、どこかで漏れやミスがあるものです。構造的な筋道が作れていないからこそ感情的な物言いになってしまうのだろうと思います。視野が狭くなっていなければ、相手の考えていることや思いについても想像力を働かせられますからね。

論理やロジックと、人の思いや感情は、決して相容れないものではありません。本当にロジカルであるということは、感情を排除してしまっては成り立たないと考えます。

論理的なコミュニケーションが必要となる場面

ここまで考えてきたことを踏まえて必要な場面を考えてみると、論理的なコミュニケーションの必要性はものすごく広いという思いを強くします。言葉のイメージから多くの人が持つのは、ビジネスシーンや、学術的な場面のイメージではないかと思います。それらはまさにロジカルシンキングが必要なシーンであって、コミュニケーションにも論理性が求められます。

特にビジネスにおいては、感情や心の問題も絡みながら、お互いに考えることの妥当性を紡いでいくような活動が必要です。誰かと誰かの意見が対立したときに、力や声の大きさで決着がつくのでは論理的とはいえません。感情を持つなとはいいませんが、冷静で、お互いに配慮をしつつの議論も大切になってくるでしょう。そういう意味で、ビジネスシーンでは論理的なコミュニケーションがとても重要になってきます。

しかし、なんらかの話し合いをする場面というのはビジネスにかぎらずいろいろなところで発生します。家庭の中でもありえるし、仲の良い友だちの間でもありえます。人が情報のやりとりをし、考えや意見を伝え合うかぎり、そこには論理的なコミュニケーションが欠かせないのかもしれません。

論理的なコミュニケーションが必要となるのは、あらゆる情報伝達のシーンといえるのではないでしょうか。

論理的なコミュニケーションとは何で、どうやって高めるのか

結局のところ、論理的なコミュニケーションとは何なのか。筋道が通っていて、漏れがなく、構造的であるのが論理的であるということです。だから、伝えていることや主張や情報の集団に、妥当性があって納得感を得られるのが論理的なコミュニケーションです。何かのパワーパランスで抑え込むようなコミュニケーションは、ロジカルであるとは言えません。上司が無理やりに部下を屈服させて「ほれみろ、ワシの言うことが正しいんだぞ、言うことを聞け」というノリで自分の主張を論理的だと思っているなら、大きな間違いということです。

本当の意味で論理が正しく成立しているなら、きっと、誰に対しても穏やかに納得される説明ができるはずです。

では、そのような、正しく論理的なコミュニケーションが出来るようになるには、どうすればいいのでしょうか。そうなりたいと思った人は、どのようにそのスキルや能力を高めればいいのでしょうか。それには、論理性や、ロジカルシンキングのスキルなどを高めることが必要になりそうです。

たとえば、まず筋が間違った主張をするようではいけません。だから、ある事柄と、それに繋がると思われる事柄が、その繋がりにおいて妥当かどうかを検討できる能力が必要です。だから、もし、自分が何かと何かを繋げて考えたのならば、その繋がりが妥当かどうかをチェックする癖づけができると能力の向上に役立ちそうです。

あるいあ、漏れがあってはいけないので、他者や自分の感情面も含めて、思い至っていない事柄がないかと気を配るようにするのも有効そうです。なるべく、いろいろな場面で、見落としのチェックをしていきます。

そして、階層的な構造化についてですが、これはいくつもある事柄をピラミッド構造の形で分類する練習が効果を生みます。慣れないうちは多すぎると混乱するので、10個くらいから、20、50、と増やしていくトレーニングが良いと思います。この思考練習は、私が学習指導の中で一部の生徒さんに対してやっていました。階層的な分類に慣れてくると自学をするときに自分で内容を考えられるようになります。そして、私に対して何かの説明をするときに上手になっていく感覚があったので、まさに論理的なコミュニケーションのスキルアップに役立つのだろうと思います。

ロジカルであえることには、道筋、漏れの無さ、構造化が必要です。それらの感覚が鍛えられれば、論理的なコミュニケーションが上手になります。そして、そのスキルアップは、コミュニケーション能力そのものの向上にも繋がるのだと思います。

論理的でロジカルなコミュニケーションとは、その内容の妥当性によって、相手にもムリのない納得感を与えられます。そのスキルを後天的に高めることは十分に可能です。スキルアップのための工夫や努力によって、良いコミュニケーションができるようになりましょう。

 

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年上の部下との接し方【零細企業の人事】

人事系コンサルタントの永江です。
今日は、年上の部下スタッフとの接し方についてです。

ベンチャー社長はだいたい若い

そうじゃない人ももちろんいらっしゃいますが、ベンチャー社長は比較的にお若い人が多いです。なにせ、法的に必要な書類を作れる年齢になれば理論上は起業ができますから、10代の社長も実際にいらっしゃいます。いろいろと起業の障壁が低くなったという事情もあって、ベンチャー社長はだいたい若い人が多いです。

年下の部下と接するときの心構え

社長が若ければ、雇い入れた部下スタッフ従業員が年下である可能性も高くなります。もちろん、若いメンバーでやっていこうという方針もありますが、年長者の経験値も捨てがたいという場面もあるでしょう。そのときに、年上の人物を部下として扱うのが下手な社長さんがたまにいらっしゃいます。

なにが下手かというよりも、接するときの心構えをお伝えすると端的だと思います。それは、もう本当に単純なことなのですが、年上なのだから、ちゃんと敬って、目上の人として接するようにするということです。「それだと指示や指導がやりにくい」と言われそうですが、「敬う」という心構えから考えるとそのご意見への解答が分かってきます。

年上部下への指示や指導

年上の部下に対しては、指示ではなく「こうしてほしい、ああしてほしい」という自分の希望として、依頼をするという気持ちで伝えるのが良いと思います。また、指導すべき場面においては、「良い変化をうながそう」とするのが良いです。「それはちょっと……」とも言われそうですが、これで対応が分かって接しやすくなったという人は、私がこの件をお伝えした人の大部分を占めます。

 

けっきょく、相手も人間であって、好むと好まざるとにかかわらずプライドのようなものを持っています。そこをいたずらに刺激しても何も良いことは無いし、だからこそ、年上の部下の扱いに困っている人は困っているのです。日本においてはまだやっぱり年齢の序列というものが強く意識されます。だから、「部下に対しては上からものをいう」という感覚は捨てて、「年長者は尊重する」という意識で接しないとうまくいかないことが多いです。

もちろん、部下のほうも年長だからってえばっていたらダメで、つまりは、お互いに尊重しあうような関係であると良いということです。そして、そう書いてしまうと、それは年齢とか序列とか関係ないことになってくるんでしょうね。

 

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スマホ通知の嵐から自分を解放する

思考力トレーナーの永江です。
最近はスマートフォンを利用する人が多くなり、私がお付き合いある人はおそらくすべてといっていいくらいです。
そして、スマホ(=スマートフォン)にはメッセージを受取るアプリがインストールしてあって……。

あちらこちらから聴こえる通知音

とくに電源を切ったりマナーモードにしたりしなくてもよい状況に人が集まっていると、あちらこちらから通知音が聴こえます。メールでしょうか、LINEでしょうか、Facebookの何かでしょうか、電話でしょうか。今はちょっとした連絡ならスマホでササッとできるので便利です。そして、ほとんどの人が持っているので、人が集まれば、それだけ通知音が聴こえてくる確率が上がります。

通知に反応していることの無駄

ちょっとした連絡をスマホでする。スマホを使えば気軽に連絡がとれる。おそらく、スマホが普及するより前、さらに、携帯電話が普及するより前、比較すると今は、連絡をとることのハードルが下がった状態だといえるでしょう。固定電話しかなかった時代と比べればとても分かりやすですが、固定電話のある場所からじゃなければ連絡できないし、電話の交換を相手に依頼するのも面倒です。ビジネスシーンならばマナーやなにやらも考えなくてはいけないし。

でも、以前はそれでも事は済んでいたんです。それが、気軽に連絡できるようになったために、本当になんでもないことでも、とりあえずいっぺんメッセージを送っておこうというくらいにみんな気軽に送っています。だから、いちいちそれに反応するということは、たいした用事じゃないものにも反応することになって無駄なのです。さらに、自分が何か他のことをしている途中の場合はそれが中断されてしまい、通知を確認して反応して、また戻って途中になった何かを再開するのもすごく無駄な動きになってしまいます。

反応する動きは、タイミングを決めてまとめてやる

これは仕事術としてのことですが、反応する動きは、タイミングを決めてまとめてやるのがいいです。つまり、通知音が鳴るたびにいちいち確認するのではなく、ある時間までチラッとも見ないで溜めておいて、後でまとめて確認と反応をするということです。緊急の用事かもしれないと思われるかもしれませんが、緊急の用事なら、少なくともLINEの文字チャットなどで知らせてきません。せめて音声通話でしょう。メールなんて使うわけないし、SNSのメッセージなんてありえないです。

小さな動きをちょっとずつバラバラのタイミングでやると、その前後に「助走」や「準備」あるいは「後片付け」にも似た本筋の行動ではない行動が発生します。細かいことならスマホをバッグから取り出して、暗証番号を入れて、……、というような動きです。これは回数が増えればそれだけ増えます。まとめてやれば短縮できます。なにより、ちょこちょこ通知が来るという煩わしさがいけません。タイミングを決めて、マナーモードか、電源OFFにして、カバンに入れて、通知があっても知らんぷりをする時間帯をしっかり持っておきましょう。

 

ちなみに、通知音から自分を解放してあげるのは、状況によっては好ましくないこともあります。ただ、仕事関係については本当に無駄だと思えることがたくさんあるので、みなさんも自分のことについていちど見直してみることをお勧めします。