論理的思考の敵は「思い込み」

思考力トレーナーの永江です。
論理的な思考をするときに、敵となるのは「思い込み」です。

思い込みのいろいろ

まず、「思い込み」にはいろいろなパターンがあることを書いておきます。認知療法の勉強などをされた人はご存知かと思います。

たとえば物事の一部分だけを情報として受け取り、そこから非論理的に全体についての判断をしてしまうことがあります。全体のことを考えるときに使っているのが先入観であったり決めつけであったりし、過度の一般化や過大評価につながります。逆に、過小評価をすることも思い込みの1パターンとしてあるし、無理矢理に白か黒かといったステレオタイプに分類しようとすることもあります。

「思い込み」となる思考には、感情や感覚が不用意に入り込んでいると私は思います。本来なら論理的にとらえるのが良い事柄であっても、感覚で「こうだよね」と決めつける。その感覚が理論に裏打ちされたものなら良いですが、そこまでに達するにはその分野の経験を豊富に積まないといけません。

思い込みを排除するには

おそらく人が自然に身につけているのが「思い込む」という能力です。だからそれを排除するのはラクではないのですが、できないことではありません。それにはまず、「自分のこの考えは、思い込みではないのか」と疑うように注意することから始めましょう。定義や定理ではない事柄については、まず思い込みに注意をするように心がけます。

そして、思い込みに陥らないためには、なるべくたくさんの情報を集めて、それらの全てに対して平等に接し、事実だけを、淡々と、受け取るようにしましょう。思い込みをもった状態は、情報の一つ一つを平等に扱わずに、非論理的に勝手に評価をしてから受け取ってしまいます。これをしないようにして、ある意味では機械のように情報に接します。

「べき論」に注意する

「◯◯はこうあるべき」「△△はこうでなくてはならない」というような「べき論」は思い込みであることが多いです。世の中はとても複雑であって、そうでない場合でも成立するのに、こうであるべきだと他を否定するのは正しいことではありません。結果的に自分の選択肢を少なくしてしまい、求める結果が得られないことにも繋がります。論理的な思考のためにも、「べき論」には注意しましょう。

敵をやっつける武器は「冷静さ」

本当に論理的に思考をする人は、傍で見ているとすごく冷静に見えます。ときには冷淡に見えることもあるかもしれません。それはおそらく、論理的思考の敵である「思い込み」が感情から生まれたものであって、熱を伴うからかもしれません。その熱を持っていないから冷静あるいは冷淡に見えます。

これは別に悪いことではなくて、ロジカルに考えるのがふさわしい場面で冷静さが求められるのは、ほとんど異論の出ないところだと思います。やっぱり、ロジカルシンキング=論理的な思考に必要なのは冷静さであって、「思い込み」という敵をやっつけるための武器になるものだと思います。

 

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何事に対しても前向きに考えることができるかどうか

思考力トレーナーの永江です。
私が接してきた中で、良い成果を上げている人、どんどん良い変化を生み出している人の傾向についてです。

悪く考えることがない人

基本的にどんな出来事にも良い面と悪い面があると私も考えているのですが、どうしても出来事に対しての「良い」または「悪い」という評価のどちらか一方をしてしまうことがあります。でも、以前に指導をしていた塾の生徒で、何事も悪く考えることがない子がいました。テストで良くない成績になっても「出来ないところが分かったのでそこを勉強します。」と言う。模試で志望校についての判定が悪く出ても「どれくらい頑張らないといけないか分かったので、それだけがんばります。」と言う。

実際に心の中がどうだったのかは分かりません。でも、常に前向きに考えて、悪い考えを口にすることなく、頑張って勉強をして無事に志望校に進学しました。

過去の失敗を笑って話せる人

経営者となるとなんでもポジティブに考えるわけにはいかないです。良くない未来も想定しておかないと、予想外の自体に対応できずに会社を潰してしまうかもしれません。だから私が尊敬しているある社長さんも、ネガティブな想定はしっかりとされています。でも、過去の失敗をあまり悪いこととして捉えていないような気がします。

あるていど経営をしていると失敗もあります。その人も失敗を何度かしています。でも、どの失敗もすごく明るく楽しく話してくれます。売上が下がったり損失が大きくなったりと数字においては悪い結果になったことでも、振り返って話してくれるときには笑い話になっています。失敗は失敗として評価しつつ、それを「勉強になった」と明るく話してくれる姿には、「こちらこそ勉強になります」と申し上げたくなります。

無意味なポジティブシンキングではなく、意味を持って前向きに考える

世の中には、ポジティブに考えるといいからと、とにかく意味もなくやたら「良いこと、良いこと」と考えようとする人がいます。こういうのは実際の経営や組織運営ではあんまり好ましくないと思います。やっぱり評価として「ダメだ」となる事象がありますから。でも、それを受けて、受け入れて、それに対して前向きに考えられるかどうかは大きいです。そこで論理的に、適正に、前向きに考えられるかどうかで、成果の大きさも変わってくることが多いように思います。

無意味にポジティブになれとは言いません。でも、良くない評価を下すべき場面にあって、それを前向きに捉える考え方も身につけていたら良いでしょうね。

 


 



経営する人と「占い」とのつきあい方について 〜 判断のためにもうひとつの軸を持つ

思考力トレーナーの永江です。
私は占いをちょくちょく見ます。テレビでやっている「◯◯うらない」とか、雑誌に掲載されている星座のものとか、特に何を、というわけではなく、いろいろなものを見ます。

占いを盲目的に信じるのは危うい

いろいろな占いを見ていますが、言われていることをそのまま信じたりはしていません。まず、ふつうに考えて非科学的ですし、当たる人もいれば当たらない人も居るだろうと思えますからね。そんなものを本気で信じてるとしたらやめたほうが良いし、盲目的に信じてしまうのは本当に危ういと思います。だから、知り合いの人が占い師さんの言うことをベッタリと信用してたりすると心配になるわけです。

他に判断の軸がなくて、どっちに転んでも大差ないなら占いで

では、なぜ占いをよく見ているかというと、他に判断の軸や基準がないときに、「えいや!」と決める材料にするために見ています。たとえば、昼食にラーメンが食べたければ食べますが、ラーメンとカレーとで迷っているとします。本当にどっちでも良いという状況なら、朝のテレビの占いでラッキーカラーが「黄」だったからカレーにする。それくらいのレベルです。

経営者の人でもけっこう占いを活用している人がいらっしゃいます。これも、占いに頼って経営をしているというよりは、いろいろロジカルに考えた結果として、もう、どっちに転んでも期待値に違いはないと考えられるときに「えいや!」と決める材料にしていらっしゃるようです。もちろん結果の違いはあるかもしれませんが、それはパラレルワールドの話になってしまうので分かりません。

論理のほかに、もうひとつの軸を持つ

経営や運営という事柄は、基本的には論理をもって分析や判断をするべきです。論理こそが万人にとっての「共通言語」ですから。でも、実際の世界はとても複雑で、どう考えても判断つきかねることがあります。あるいは、時間の制限があってこれ以上は考えることができないということもあるかもしれません。そういうときに判断の材料とするために、もうひとつの軸を持っていると良い場面があります。

もうひとつの軸は占いとはかぎらないです。たとえば信頼できる参謀。座右の銘としている言葉。メンターの意見。名著にある言葉。さまざまです。占いもそのひとつ。基本的には論理で考えて進めるのですが、ほかにもうひとつの軸を持っていると行動しやすくなったりします。


 



思考を上手にするための3要素

思考力トレーナーの永江です。
自分のアタマでちゃんと考えられる人を増やしたい!

ということで、思考を上手にするための3要素についてお話をします。

考えようとする意思

まず最初に必要なのは、意思です。自分でちゃんと、しっかりと、自分のアタマで考えようとする気持ちです。これが無い人は、分からないことがあったり難しい問いに出会ったりすると、すぐに人を頼ります。それはそれで可愛らしく感じるシーンもあるのですが、少なくとも「考えられるよう」にはなっていきません。まず意思を持つことから始まります。

考えるための基礎となる知識

次に必要なものは考えるための基礎となる知識です。たとえば、「数」というものについて考える数学の世界では、最低限の数の定義と仕組み、そして演算のルールなどを知らないと前に進めません。だから、数学を学ぶための入口として、小学校で算数を習います。そこには数学的なことを考える基礎となる知識を身につけ、少しずつ考えることを進めていきます。

基礎となる知識が必要なのは経営やマーケティングなどについても同じです。たとえば最低限の会計のルールを知らないと、企業経営を正しく思考することはできません。単なるお金の四則演算ではないということを、ちゃんとやっている人なら知っています。おおよそなんの分野であっても基礎の知識は必要となるので、これがあってから3つめの要素を使っていくことになります。

うまく考えるための技術

3つめの要素が、いわゆる「思考法」などのエリアになってくると思います。上手に脳みそを働かせて、効率よく、問題解決に近づくための思考技術です。技術のためには道具がセットになっていることもあって、フレームワーク思考などはそれに該当すると思います。どれほど上質な素材であっても技術が稚拙だと悲しい結果になりなるので、やはり思考の技術も持っているのが良いのです。

 

単に技術だけを学んでも、基本的なことを知らないと、おかしな思考になってしまいます。そして、意思がなければそもそも考えようともしません。意思があり、知識がある状態で、技術を駆使する。そうすると、上手な思考ができるようになります。

 


 



ロジカルシンキングを実行するために必要な3つ

思考力トレーナーの永江です。
私はロジカルシンキングのセミナーをコンテンツとして持っています。また、私自身が、物事を論理的に考えるように努力をしています。そんな中で、私が考える「ロジカルシンキングを実行するために必要なこと」は大きくわけて3つです。

考えようとする意思

最初に挙げたいのは論理的に考えようとする意思です。ロジカルに考えようとしなければ人は感性に頼る部分が大きくなります。また、論理的に考えることが日常的にできていないと、思い込みや偏見が思考にするりと入り込みます。こうなるのを避けるのがロジカルへの道なので、あえて「論理的に考えよう」と意思を持つのが良いです。

考えることの土台となる知識

2つめに挙げるのは、考える土台=ベースとなる知識です。いくら意思があっても、3つめに挙げる技術があっても、思考の対象となるものの基本部分となる知識がなければどうにもなりません。経営のことを考えるなら経営について最低限の知識は必要です。だから、たとえばコンサルティングをするときには対象となる存在についてのヒアリングを入念に行うのです。コンサルの対象となる存在についての基礎知識があってはじめて丁寧で論理的な思考ができます。

適切に考えるための技術

3つめに考えておきたいのが技術です。ロジカルシンキングというものがナチュラルに出来てしまう人には不要ですが、標準的な人、一般的な人は、技術を持つようにするのがよいです。技術はセオリーとして体系立てて学べるので、そのスジの書籍などで勉強できます。もちろん私の講座に参加していただいたりコンサルティングを受けていただくのも良いです。後天的に身に着けられる技術で、ロジカルシンキングのレベルをアップしましょう。

 


 



しだいに感覚のレベルを上げて成長していく

思考力トレーナーの永江です。
なにかの分野で成長していくときのお話。

たとえば自転車に乗れるようになるときの感覚

たとえば、はじめは自転車に乗れなかった人が、練習をして乗れるようになるとき。乗れないときはバランスをとること等いろいろなことを難しいと感じています。それが、なにかのタイミングでバランスがとれると、難しいという感覚は薄れて、「いける」という感覚を持つようになります。

さらにスピードを上げることができるようになると、バランスをとって速く進むことに慣れていきます。そしてあるときに気づくかもしれません。自転車に乗れなかったときの感覚と、乗れるようになってからの感覚が大きくちがっていることに。乗れる感覚を身に着けてしまうと、乗れることが当たり前のようにも思えてきます。

感覚が変わったときに意識しておく

おおよそ何の分野であっても、ある状態からひとつ上の状態に成長したときに感覚の変化はあると思います。そのときに、ステップアップしたあとの感覚の状態を意識してみることをお勧めします。できなかったことができるようになった感覚。前の自分とは違うという感覚です。

変わったあとの感覚を意識すると、できる自分が当たり前のように感じられます。それは、次の成長段階に進んだということであり、さらなる向上につながる新しい階段をのぼり始めたということになります。無意識でも悪いわけではないのですが、成長が感じられれば気分もよくなり意欲も増します。何かが出来るようになったときの感覚を意識して、そのレベルと段々と上げていくことで成長を実感していきましょう。

 


 



考える余地や 工夫の余白

思考力トレーナーの永江です。
子どもが発明したというものをテレビ番組で紹介していました。いくつか紹介されていましたが、どれもすごく考えられていて素晴らしい。

今あるものをもっと良くしたいという思いがきっかけ

ある発明では、もともと世の中に存在していて、広くみんなのまわりにあるもを改良してよりよいものに変えていました。まず、今あるものに着目し、みんなが「そういうものだよね」と思っていることに対して「もっと良く」と考える思考が素晴らしいと思います。そして、「もっと良く」と考えたときに、どうしたら良くなるのかを徹底的に研究したようです。時間をかけて、あきらめずに、いろいろな工夫や、他からヒントを得たアイデアを組み合わせて、とても素晴らしい発明品を作っていました。

常に工夫を考えて、ちょっとした発明をいくつも

また別の発明をした子は、これまでにいくつもの発明をしてきたということでした。その発明はどれもちょっとしたもので、生活の中で本当にちょっとした便利さを生むものです。おそらく多くの人にとっては必要なくて、それがなくてもなんとかなるものです。でも、自分の暮らしの中で常に工夫を考えて、自分の身の回りがちょっと良くなるというものです。ここでは、常に工夫を考えているという思考の継続性に感心させられました。

「こんなものだよね」と諦めないことの大切さ

大人になってくるといろいろなものを見聞きしてきます。だから、「これは、こんなものだよね」という諦めの思いを持つことはたくさんあります。でも、この番組を観ていて思ったのは、何からの考える余地や工夫の余白は無くならないということです。もちろん、その工夫をしている間に次のことをしてしまったほうが良い場合もあります。スピードも人生の中では考慮すべき要素ですから。でも、ただ単に「こんなものだよね」と諦めるのではなく、考える余地や工夫の余白はきっとあるという意識は持っていると良さそうに感じています。

 


 



ロジカルシンキングにおけるひとつの課題「つなげること(統合)」

思考力トレーナーの永江です。
今日は、私がロジカルシンキングの講座やセミナーをやるようになってから、実はずっと、課題として思っていることについて。

分解し、分類するところからはじめる論理的な思考

ロジカルシンキングをやろうとするときに、対象となる事柄は複雑にからまった多様な要素からできています。あなたのまわりにある解決したい課題を想像してみたら分かると思います。その課題に関係する事柄をどんどん細かくしていくと、すごくたくさんの要素から出来ています。たとえばある店舗の営業成績が伸びないとする。その店舗の人員における情報だけでも膨大なものになります。誰が、どのような役割で、と紙に書き出していくとして、その「誰」や「役割」という要素も、もっともっと細かくできます。「誰」についてであれば「年齢」「性別」のような単純なものから、さらに段階的にいくつも細かくできそうな「経歴」「スキル」という要素も持っていますから。

考える対象をどんどん細かく要素分解していったあとで、次の作業としては分類を行います。この分類は、よくMECEといわれる「漏れなくダブリなく」を目指すべきなどと紹介されています。ただ私の考えでは、「漏れ」がなければよくて、「ダブリ」は絶対に避けるべきとまではいえないです。むしろ、つぎの作業段階を考えるには、あるていどの「ダブリ」があったほうが都合よいとも思えます。とにかく、分解したものを、なにかの共通点にもとづいて分類していきます。その分類はときに階層的になります。

分類後の重要な課題が「つなげること(統合)」

あるとき私は、理想的なロジカルシンキングの過程は「分解と再構築だ」と考えました。せっかく良い考えに思い至ったのですが、実はとっくの昔に他の誰かが考えられていたそうです。本を読んだら早かったんでしょうね。

それはさておき、ロジカルシンキングの最初の段階として要素を細かく分解します。実作業としてはホワイトボードや付箋に書き出すことになるでしょう。そして、それらを分類した後があって、ここから重要です。分類しただけではダメです。分類された別の要素どうしをつなげることを考えなければいけないのです。それは統合ともいえます。

つなげるというのは、たとえばどういうことでしょうか。売上の課題として挙げられた別の要素として、スタッフの中に20代の女性、営業に強い地元出身の有能スタッフがいるとします。また別の要素として、地元民に愛されつづけている商材の可能性がアイデアとしてあるとします。そのときに、ある一人のスタッフの特性要素を、新しい商品のアイデアと結びつけて考えるのが「つなげる(統合)」ということです。ここの部分が実はずっと課題なのです。つまり、「はい、わかった。なるほど、できそう。」などと簡単に言えない作業だし、いろいろ説明しても「これなら出来そう」と思ってもらえない思考工程だし、つまり、それ自体がもう難しいんです。

地元出身のスタッフが新しい商品について、という事例は比較的に簡単に思いつきそうです。でも、そもそも非常に多岐にわたる要素をもった事柄を再構築するわけです。無限ともいえそうな組み合わせのパターンが考えられます。その無限ともいえるパターンの中から、筋が通っていて目的に合致していて、良い思考結果が得られると期待できることを選別していくわけです。これは、なんとなく出来ない人にとってはけっこう難しいものだと思います。

意識して修練を重ねるしかない

この話は、何かが出来るようになるということの本質なのかもしれません。方法論や手法やツールでは解決できない問題です。「つなげる(統合)」という作業をしっかりとしていくということ。センスが必要です。センスは、生まれつきに自然に持っていなければ、修練やトレーニングで身につけるしかありません。ただ、センスが身につくと格段に能力が向上します。これだけ書いておいて申し訳ないですが、いまそのセンスを持っていない人は、意識して修練を重ねましょう。

 


 



ビジネス的な情報伝達で大切な いくつかの要素

人事系コンサルタントの永江です。
今回はコミュニケーションについてのお話

要素の不足によるコミュニケーションの不出来

コミュニケーションというものは意外と難しいものです。思った意図で伝わらないこと、「そういう意味じゃなかったのに!」と思わされること、勘違い、誤解、いろいろと問題が起きます。日常のなんでもない会話でもそれは起こりえるし、ビジネスにおける情報伝達でも同様です。そして、ビジネス的な情報の伝達では、要素の不足によってミス・コミュニケーションとなることがしばしばあります。

要素の不足とは、伝えるべきいくつかの事柄のうちのいくつかについて伝達もれとなることです。たとえば話の全体として顧客からのクレームを伝えるとします。そのときに、クレームの内容は伝えたけれども、どんな顧客からのクレームなのかという情報を伝えなかった。しかし、ばっちりターゲット層に重なる人からのクレームである場合と、かなり外れた人からの場合では、ビジネス上での対応は違ったものになるはずです。伝えるべき要素に不足があると、その後の思考が正しくできないという結果につながりかねません。

伝達要素のうちでビジネスで有益なもの

ビジネス=仕事における情報伝達では、伝えるべき大切な要素として次のような事柄を考えておくとよいです。それは、1.全体的な累計、2.事柄の主体者、3.事柄の対象者または対象物、4.全体としての背景、5.理由や原因、6.時系列における具体的な進行や流れ、7.結果や結論または要約。日常会話でこれらを漏れなくしようとすると面倒くさそうな会話になってしまいますが、ビジネスにおいては漏れがないことは大切です。誤解なく、その後の思考が比較的に正しく行われるようにするためにこれらの要素は重要です。

情報伝達に漏れをなくして論理的な思考につなげる

上記の要素についての考え方は、ビジネスを科学的に進めるために有効です。科学的であるということは論理的であるということでもあります。感性でビジネスを進めて成功できる人にはなくてもよい考え方かもしれませんが、多くの人は論理性という共通言語によって成功の再現性が高められます。この辺のことはまた別の機会で触れたいと思いますが、ビジネスにおける成功のために論理性は重要であり、論理性のある思考のために情報に不足があっては好ましくないということです。情報伝達に漏れをなくして、論理的な思考ができるようにしていきましょう。

 


 



シンプルであってもイージーではない

思考力トレーナーの永江です。
セミナー等を開催すると、あるいは開催されているほかのセミナーを拝見して感じること。

イージーを求めてセミナーを渡り歩く

私もたまに見かけるし、同じようにセミナー講師をやっている人からも話をききます。「セミナー・ジプシー」と呼ばれる人たち。いろいろなセミナーを受講して、「なるほど、そうか」「勉強になった」と思って、でも、また別のセミナーに参加する。そして「◯◯だけで△△できる!」という謳い文句に誘われてまた別のセミナーを探していく。で、けっきょく、何も自分の中で変化を起こせずに、とりあえず「学んだ!」という気持ちになるだけでなんとなく満足したような気になっておわり。

こういう人たちって、「簡単に△△ができるようになりたい」と思っていて、その「簡単」というのをイージー(easy)という意味でとらえているんですね。でも、できない何かをできるようになるのに、イージーに済ませられることなんてまずありえないです。

シンプルという意味の簡単さならありえる

でも、一方で、シンプル(simple)という意味での簡単さで何かができるようになるのはありえます。たとえば、私は食事制限をする「だけで」他の生活習慣を変えずにダイエットしました。あるいは、私の生徒さんは、毎日かならずSNSに投稿しつづける「だけで」起業当初のスタートダッシュに成功しました。また、毎日ぜったいに数学の学習時間を1時間以上これまでより増やすという「だけで」成績をアップさせた塾生さんもいます。やっていることは非常にシンプルです。

これらの取り組みはシンプルなので、そういう意味で「簡単」といってもいいかもしれません。一回一回のどれをとっても、別にその人にとっての難しいことをやっていません。やろうと思ったら絶対にできることです。それをきっちり続けることで効果をあげています。そういう意味での簡単さであれば、自分のなかでのなにか大きな変化を起こすこともじゅうぶんに可能です。

魔法みたいにパッと変化を得られるはずがない

セミナー・ジプシーの人たちは、怠け者です。魔法のように、あるとき、あることを知っただけで、パッと突然に素晴らしい自分になれると期待しています。そんなこと絶対にないです。自分が今までも自分とかわって、何か変化を得た存在になるには、やっぱり普通は努力や工夫や、そして継続が必要です。何かの道具を得て急にうまくできるようになることはあっても、でも、その道具も上手に使えるようになるには練習や勉強が必要だったりもします。甘えていないで、ちゃんとしっかり勉強し、工夫し、それを継続して、自分に変化を起こしましょう。