人材要件の軸をしっかりと定める【零細企業の人材確保】

人事系コンサルタントの永江です。
最近は零細企業にかぎらず、組織が人材を確保するのが難しい状況のようです。
しかし、確保が難しいからといって入社してくれそうな人ならなんでもかんでも採用というわけにもいきません。しっかりと軸を定めて基準をもって採用活動を行いましょう。

人材要件の軸とは

人材要件の軸とは、どんな要素をもって採用可否の基準とつくるかという判断軸のことです。たとえば法人に対しての営業力や経験のていどを重要な判断材料にするとか、ある専門分野についての経験がどれくらいあるかを判断材料にするとかです。軸はいろいろと考えられるのですが、とうぜん、会社の事業および募集職種において重要な事柄でなければいけません。人材募集をかけるときの初期段階でしっかり考えておくべきことのひとつでしょう。

人材要件の軸が定まっていないと

人材要件の軸が定まっていないと、本来ならあまり必要でないスキルに惹かれて採用を決断してしまうかもしれません。そうすると、何かについて素晴らし能力をもっている人であっても自社で望むような活躍ができない可能性が高くなるかもしれません。あるいは、「この人、すごい!ぜひ、うちに来てほしい」と思って採用したのに、「思っていたイメージとちがう」となって入社後に冷遇してしまうかもしれません。

これらのことは、人材要件の軸が定まっていないことによって起きます。軸がしっかり決められていれば、そのそのモノサシを当てて判断できます。決まった軸のほかの要素によって惑わされることも減らせるでしょう。判断基準が定まっているということの前に、その基準を何によって設けるかという軸が明確であるのがよいです。

人材要件の軸を定めるための手順

人材要件の軸を定めるには、会社の事業と、事業の中での募集職種をきちんと定義づけておく必要があります。世の中にある一般的なイメージで「こうだろうな」と考えるのではなく、自社独自のものとして定義づけをします。定義づけはできるだけ細かく言語でします。ここであいまいにすると軸や基準もあいまいになるので注意しましょう。

業種や職種の内容が定義づけできたら、そこで現在の会社における不足点を言語化します。さらにその中で重要度が高く、かつ、不足の度合いが高いものをピックアップします。重要度と不速度の掛け算で数値化できると理想です。掛け算で数値が大きいものを最優先する軸として定め、さらに採用可否判断の基準となる程度を決めます。こうやって決めた軸と基準からズレないように採用活動を進めましょう。

人材に不足を感じていると「早く」という意識がどうしても働きます。でも、あたりまえですが、採用してからの時間のほうがずっと長いし、失敗したときの影響はすごく大きいです。軸をしっかりと定める。これを意識してみることをお勧めします。

 


 



社長がやる情報発信の注意【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
最近では、社長さんがFacebookなどのSNSを活用するのも珍しくありません。
でも、どんな便利なツールにもいえることですが、やっぱりSNS活用には注意したほうがいいことがあります。

Facebookにありがちな投稿の傾向

私が見ている範囲ではありますが、Facebookに代表されるような実名型のSNSは、あるていどプライベートを晒すような投稿が多いです。人によっては仕事のことよりも、休日に誰とどこに行ったとか、誰とどんな食事をしたとか、そういう内容が多いです。上手な人はそういう内容の投稿からもうまく仕事につなげるのですが、単にプライベートを明らかにしているだけの人もいらっしゃいます。

これは、Facebookの仕組みにも起因していると思うのですが、「いいね」をなるべく多くもらいたいということが理由のひとつになっているのではないかと考えています。つまり、明確に仕事のこと、特に宣伝めいた投稿をすると「いいね」が少なくて、楽しく食事をしている様子なんかをアップすると「いいね」が多くもらえるのです。同じように投稿するなら反応が多くもらえるほうが嬉しいし、それで、「いいね」をもらえる可能性の高いジャンルの投稿が多くなるんだと思います。

目的は何かを忘れないように

私自身が自分に言い聞かせていますが、「楽しい」という感情とともにやっていることの目的を見失わないようにしたほうがいいです。Facebookで自分の事業を広く知ってもらおう、そのために頻繁に投稿しよう、でも、「いいね」を多くもらえるのは食事の投稿だ、だから……。となるのは理解できるし、それ自体は悪いことではありません。でも、目的を見失いがちになるので注意しましょう。

食事の投稿をしても、プライベートを晒しても、それで「いいね」をたくさんもらってSNS上で交流をふかめ、その先に事業のアピールをするということなら良いです。でも、いつの間にか「いいね」を多くもらうことが目的になってしまって、事業的なメリットにつなげることを忘れてしまってはいけません。たまにそういう人をお見かけします。繰り返しますが目的を忘れないようにしましょう。

情報発信の全般にいえる注意点

相手が明確な情報発信は、その目的を忘れにくいように思います。たとえば取引先の担当者に情報を伝えるというときに、伝えることの目的を見失うことは稀なのではないでしょうか。しかし、インターネット上のSNS等による情報発信は相手がハッキリとはしていなくて、あいまいで不特定多数だったりします。そうするとメッセージ性がぼやけてしまって、目的から外れた情報発信になってしまいます。そうならないためにも、不特定多数が見るような媒体であっても、ちゃんと相手を明確に想定して発信していくようにしましょう。ここでもペルソナ設定は重要です。

 


 



最近の求人媒体で有力なもの【零細企業が人材確保を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
先日、ある地元企業の社長さんが中途採用をするということでハローワークに行かれたそうです。
そして求人票を出してみると……。

ハローワーク求人から、想定以上の反応が

その社長さんが求人票を提出されて、翌日には問合せがあったそうです。そして、選考のための書類を送ってもらう連絡をしたりしているうちに、1週間で6件の応募があったそうです。実はこの社長さん、人材確保に苦労していて、今までは地元求人誌などに有料で掲載をしていました。でも、求人を開始してすぐにこれほど応募あるなら、もっと早くハローワークに出せばよかったとおっしゃっています。

最近の石川県は求人状況が良くて、ハローワークの端末も待ち時間がほとんどないという話も聞きます。社長さんもその情報を得ていたらしく、だから求人票を出しても応募は無いだろうと思っていたそうです。以前はハローワークの求人からの応募もたくさんあったが、今でもそうだとは思えなかったということです。実際はそんなことありませんが……。

ハローワークのネット検索

求職している人への支援として、ハローワークのネット検索の利用を勧めることがあります。載っている求人の内容がどうこうじゃなくて、求人情報の項目数がすごく多くて勉強になるからです。有料で広告が掲載できる媒体と比べると、企業が載せられる情報量が非常に多いです。無料のもののほうが情報量がたくさん載せられるという状態です。仕事内容についても頑張って作文すればけっこう詳細なものを掲載できます。

さらに、昔とちがって現在は、ハローワークの求人情報は全国どこにいても同じものを確認できます。本当の昔は、各地それぞれのハローワークにある紙のファイルを見るしかありませんでしたが、今は本当に全国のどこにいても、です。家でも見られます。出先でも見られます。もちろんハローワークの端末でも。だから、仕事を探そうとする人が情報にアクセスしやすくなっていて、そういう意味では、見つけてもらいやすくなっているということですね。

ハロワ掲載情報からの広がり

前述の社長さんからさらに聞いたことです。ハローワークに求人票を出したあと、複数の求人情報系サイトから「うちにも掲載しませんか」という問合せが来たそうです。その中には無料で掲載できるものもあって、それはすぐに掲載してもらったそうです。求人情報サイトの営業(?)さんもハローワークの求人情報をチェックしていて、新規で掲載された企業さんに対してそういった連絡をしているもようです。

そうすると、ハローワークに掲載したことによって、単にハローワークで求人を探している人だけではなく、他への広がりが期待できます。実際に、掲載場所は広がったし、求人情報を見つけてもらえる可能性も広がりました。無料のものだからといってバカにできません。無料であるのは収益モデルが直接的じゃないだけで、十分に効果が得られます。職種や地域によっての差異はあると思いますが、無料なのだから試してみても損はないのではないでしょうか。

逆にいうと、求人をしている企業さんから直接に掲載料をいただく形の旧型媒体は厳しいかもしれませんね。私もこうやって無料のものをお勧めしてしまっていますし……。でも、求人をする企業さんにとっては効果の高さこそが重要な点ですから、もし、ハローワーク求人およびネットの無料掲載媒体を使っていなければ、ぜひ試してみてください。

 


 



従業員に対して提供する「安心感」について【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
あなたが零細企業の社長さんであるならば、スタッフに対して何を与えるのかを考えることも大切です。それは、仕事なのか、お金なのか、それともまた別の何かなのか。

不安を持っているスタッフの行動

従業員が何か不安を抱えていると、仕事中にもそれが気になってしまいます。仕事そのものへの不安、たとえば顧客がライバル企業に乗り換えるのではないかとか、今月のノルマが達成されるかどうかとか、そういうものなら仕事そのもので払拭していけばよいです。仕事そのものへの不安ならば、仕事そのものへの良い影響につなげることも加納です。

一方で、たとえばプライベートでの不安があったりするとき、それが気になって仕事が手に付かないようだと困ります。できるだけ仕事中は仕事に集中してほしいし、本来は、働く人というものはそうあるべきです。でも、不安を持ってしまっていると、どうしても理想的な仕事の行動がとれなくなります。

会社がスタッフに提供できるもの

会社が、あるいは社長が経営者として、従業員に提供できるものはいろいろあります。まず仕事そのもの。そして、それによって発生する報酬としての賃金。福利厚生のもろもろ。やりがい、生きがい、といったもの。成長の実感や達成感などもありますね。

会社は従業員にいろいろなものを提供するのですが、その中で「安心感」というものも大切にしていただきたいです。前述しましたが、仕事そのもの以外に不安を抱えていると悪い影響が考えられるし、集中できずにパフォーマンスが悪くなることも考えられます。また、他の事柄を与えることによって安心感を提供できるということもあるので、提供できるもののひとつとして「安心感」をぜひ考えてください。

安心しないと続けられない

その安心感についてですが、会社自体に対して、あるいは自分が築きたい生活に対して、その会社に居ることで安心感が得られないと人は離れていきます。これは当然です。会社が継続できなさそうに思える。給料が少なくて生活設計が立てられない。こんな状態ではそこから逃げたくなるのは無理もありません。

ときどき経営者さんの中に、特にこの後半の部分に無頓着な人がいます。会社を継続していくことについては、社長自身の人生もかかっているから一生懸命になるのですが、部下スタッフの生活についてはそれほど関心がない。給料はちゃんと払う意欲もあって実際に払っているのだけれど、それが従業員の安心につながっていないというケースです。

安心感を持ってもらうためには、必要なのは単なる金額の大小ではなく、将来の見通しや、分かりやすさもあります。自分が担当している仕事が今後も続くのかどうか。続かない可能性がある場合に、それなら他のことで会社に貢献できるのかどうか。給料は将来的に上げられるのか、上げるためには何をしたらいいのか。いろいろな要素がありますが、とにかく安心しないと続けられません。

伝える努力を怠らない

結局はスタッフとのコミュニケーションの話になるのですが、安心してもらうためには伝えることが必要です。「分かってくれているだろう」「伝わっているはずだ」は危険です。他人というものは、自分の頭の中を見てくれるものではありません。いちど理解してもらえたように感じても、本当に誤解なく伝わったかどうかは何度も双方向のやりとりをしないと確認できません。とにかく、従業員に安心を提供するのは大切なことであり、そのために社長の考えや理念や、会社の仕組みや方針などを伝えることを怠らないようにしましょう。

 


 



出せないものは出せない【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。

零細企業の課題のひとつ、人材を確保するということのために、ちょっと注意をしてほしいこと。
それは、「出せないものは出せない」と割り切ることも必要ということです。

他社より高い給料設定にするかどうか

基本的に給料の設定は高すぎず、低すぎず、が良いです。具体的には、地域の同業他社相場より1割くらい高いのが理想的だと考えます。これはコンサルタントによって数値がちがっていて2割くらいという人もいらっしゃいます。

ただ、そこは会社としての財務力やキャッシュフローの状況がありますから、どうしてもそれ以上に出すのが難しいという場合もあると思います。ただ、相場より下げるようなことはしないほうが吉です。最低でも相場なみ。できればちょっと高いくらいが良いです。

「もっと欲しい」という要求には?

あまり多くあることではないと思うのですが、採用面接のときなどで「給料をもっと上げてほしい」と要求する人がまれにいらっしゃるようです。要求まではいかなくても、「もっと給料がよければ入社するんだけど」と態度に匂わすようなケースもあるそうです。それに応えようとするのかどうか、零細企業の社長さんがちょっと考えてしまうことかもしれません。

こういう要求や要望には応えないほうが良いです。前提として給料の金額設定は交渉対象にしないということがありますが、つまり、出せる金額のちょっと下の設定にして交渉によって上げられるようにするより、出せるいっぱいまでの変更不可な設定にするのが良いということです。

もちろん、入社後に昇給するのがいいので、あくまでも「入社時の金額としていっぱいいっぱい」です。入社後の活躍しだいで上がることがあるけども、入社時は「これ!」として、採用時の要求にはまったく応えなくてよいです。

お金よりも魅力になるものを考える

やっぱり給料などの待遇面では零細企業は不利なことが多いです。だから、お金に強く魅力を感じる人を採用などせずに、会社としての魅力を他のところに求めましょう。

零細企業が求人のときに魅力となるのは、事業の内容や仕事のしかた、社長のパーソナリティなどです。幸いにして、最近の若い人たちの職業選択の傾向としては、仕事そのものの魅力を重視する人たちも少なくないようです。それに社長の人となりがプラスされれば、適切な人材確保も可能です。お金よりも魅力になるものをちゃんと考えて採用活動をしていきましょう。

 

けっきょく、「出せないものは出せない」とする姿勢でいるためには、自信をもってアピールできる強みや魅力を把握しておくことが必要です。入社時の給料設定はガツンと決めたら動かさない。そして、それ以外に会社として持っている魅力を考えましょう。

人が先か、売上が先か【零細企業の人材確保】

人事系コンサルタントの永江です。
零細企業にとっての課題はいろいろあって、従業員を増やすタイミングもそのうちのひとつになることがあります。
会社の成長のために人を増やしたいけれども、売上が増えてくれないと人を増やす原資がない。でも、人が増えないとそもそも売上や利益を増やすための活動ができない。「鶏が先か卵が先か」みたいな話です。

人件費増加のインパクト

零細企業は会計規模が小さいですから、一人の従業員を増やすことによる費用へのインパクトは大きいです。将来の昇給も考えてあげようとするとけっこうアタマの痛い悩みにもなりえます。事業内容によってはパートタイムの雇用で様子を見ながらスタッフを増やすことも考えられますが、それができにくい業種もあるので悩ましいです。

利益が確保できてから人を増やす?

たとえば現在いる社員に残業をたくさんしてもらって利益を作り、その営業成績が安定してきた段階でならスタッフを増やせるかもしれません。その段階で新しい人を採用すれば、残業をたくさんしてくれていたスタッフにもラクをしてもらえるようになるかもしれません。

でも、新人さんが入ってくると教育のための労力が必要になることもあるし、営業成績的にどれくらいの余裕があれば人を入れられるのかという判斷もちょっと難しそうです。利益が確保できてから、営業成績が上の方で安定してから、それから人を増やすという考えだと、意外とそれが達成できずに、ヒィヒィ言い続けることになるかもしれませんよ。

先に人を増やすためには原資が必要

先に事業計画があって人員を増やしてから、それによって営業成績を上げていこうという考えのほうが理想的ではあると思います。実際、近年の「働き方」への世間の意識変化もあって、おそらくそのほうが健全にスタッフも活動してくれる可能性が高いです。ただ、これが出来るためには先に増えてしまう費用をどうするかということを考えなくてはいけません。人を増やすことは、とりあえず人件費が増えることは間違いありませんから。

人を増やせるかどうかというのは、財務状況やキャッシュフローの状況などに影響を受けます。会計=アカウンティングについてきちんと考えなければいけません。零細企業の社長さんの中には会計に弱くて税理士さん頼みになっている人も多いですが、税理士さんは人材確保のことまで考えて帳簿を見てはくれません。そこまで一緒に考えられるコンサルタントを見つけるか、あるいは自分がそこまで考えることに決めるか、そのどちらかになると思います。

面接での違和感を放置しない【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
今日は、零細企業の社長さんが採用面接するときのお話についてです。

何がどうかと言われると困るような小さな違和感

人と話しているとなんとなく違和感を感じることがあります。論理がつながっていないけど、明確をそれを指摘できるほどでもない。言っていることが違っているけど、何がどう違うのか分からない。どこにどう違和感を持ってしまったのか分からないからこその違和感なのであって、説明ができたとしてもそれは後になってからだったりします。

採用面接をしていてもそういうことがあって、私が人事部長として面接をしていたときもありました。なんとなく感じる「ダメなんじゃないかなぁ」という思い。でも、他の面接担当者が採用の方向で考えを主張しているのに対して、こちらは言語化した反論ができないでいる。人が議論や検討をするときに言語化できない感覚は主張が弱いので、そのまま採用になることもありました。

違和感を放置してしまったケース

本当に、今になって思えば、あのときに違和感の正体を同席したメンバーにも一緒に考えてもらえばよかったです。採用したあとに分かった違和感の正体は「分かったような返事をしながら、実は分かっていないことが多い。」というものでした。面接のときの受け答えが良かったのですが、実はこちらの話をしっかり理解してのレスポンスではなかったんです。

そこに気づかなかったので、口頭による説明を理解して反応することが必要な部署に配属をしました。そして、その配属がうまくいきませんでした。あのとき感じた違和感を放置してしまったために、何人もの人が少しずつ不幸を抱えました。その後どうなったのかは伏せておきます。

違和感を追求したケース

逆に違和感を持ってそれを追求したケースですが、これは現在のクライアント企業さんでのお話です。社長さんが面接をして、何か違和感を持ったそうです。そして、それが何かを面接の中で自己追求するための質問をいくつかしていきました。違和感の正体は、業務に必要な知識について不十分であったということだそうです。「◯◯はできます」と言って応募してきたのですが、本人が思っているよりも会社が求めるレベルが高かったということです。

会社が求めるレベルと応募者が考えるレベルがズレていたのが原因です。本人はできると思って「大丈夫です」と主張していました。油断するとそのまま採用してしまいそうなケースです。でも、社長はなんとなく持った違和感を追求して、求人票に示した要件の説明がうまくなくて、どんなレベルで知識が必要なのかについて勘違いをさせていたと謝罪をし、その人は不採用となったそうです。

社長は感覚で面接をしてもよい

私は基本的に零細企業の社長であれば感覚で面接をして、感覚で判断をしていいと思っています。小さな会社の舵取りをするときに、社長が持つ感性の影響力が大きい方が良いと考えるからです。たとえばたった数人ていどの組織において、何が正解なのかを判断しづらい問題は、社長の責任で、社長の感性で判断するしかないことが多いからです。

もちろん、感性で判断して会社を傾かせてはいけません。だから、感性とともに理論や理性を加えて判断するのは当然です。でも、理論の及ばない最後の最後の部分で感性を使った判断も良いということです。

だから面接で違和感を感じたら、その違和感を信じて放置しないことも大切なのではないかということです。実際に私が放置した違和感は判断の失敗につながっています。もちろん違和感が杞憂に終わることもあるでしょう。それは違和感の正体を突き止めればいい話です。面接で違和感を感じたら、それは放置しないのが良いかと思います。

社長がみずから動く【零細企業が人材を確保するために】

人事系コンサルタントの永江です。
零細企業が人材を確保するためにどうすると良いのか。
今日は社長の行動についてです。

採用活動を人任せにしない

零細企業の社長さんと一括りにしても、その得意とするところや苦手とするところ、人柄などはさまざまです。だから、とうぜんですが、自分でやる仕事と他人に任せる仕事もさまざま。そして、人に任せる仕事の中でも、自社のスタッフに任せる場合と外注する場合などに分かれたりします。会社にとって本当に欲しいと思える人材を確保することを考えると、採用は人に任せないほうがよいでしょう。

規模が小さな零細企業では、社長の考えや理念が大切です。大企業では大切じゃないみたいな書き方ですが、従業員に与えるインパクトが大きくて、したがって事業そのものに与える効果の比率が大きいというふうに理解してください。ちょっとブレたときの悪影響。きちんと浸透しているときの好影響。それらが出やすいということです。

採用活動を他人に任せると、理念や考え方のアピールが弱まります。また、せっかくのチャンスとなる「社長さんが直接に話してくれた」と思ってもらう機会を逸することになります。もったいないです。小さな会社の社長さんは忙しい人が多いですが、採用活動は自分でやるのが良いと思います。

具体的に何をするか

人材確保のために、何を人に任せず自分でやるべきか。たとえば情報発信の内容を作ることがあります。仮に採用に関するメッセージページをウェブ上に作るとします。HTMLコーディングやページデザインなどは人に任せてよいです。さらに、文章の最終的な作成も任せてもよいです。でも、そのページで何を訴えるのかという内容そのものは社長が自分で作るべきです。そうしないと伝えたいことのニュアンスがズレてしまう可能性があります。

他には、興味をもってくれた求職者の人に直接に会うということです。会社説明や面接などは社長が自分でやりましょう。もちろん他のスタッフを同席させるのはかまいません。説明会では社長が自分の口で会社の魅力を語り、面接では社長みずから気になることを質問し、採用するかどうかの判断をします。

他にも社長が自分でやるのがよいことは考えられますが、情報発信をすることと、求職者への接触は非常に大切だと思います。

社長の魅力を磨く

なんだかんだいって零細企業では、就職活動している人がその会社に入ろうと思うかどうかについて、社長が持っている人間的な魅力は大きく影響します。つまり良い採用をするためには社長が魅力的であることは武器になります。一方で、私の体感では、ここについて自信を持っていない社長さんがけっこう多い。本当はすごく魅力的な人なのに自信を持てないという社長さんもいらっしゃいます。

自信過剰になって驕ったりするのは良くないですが、客観的に評価できる自分の魅力を知っておくことは大切です。そのために、ふだんから親交のある人に自身の魅力を教えてもらうとよいです。なんだか気恥ずかしい思いがするでしょうが、これはぜひ、やってみていただきたい。そうして、そこをブラッシュアップしつつ、表に出していくようにしましょう。

もともと持っている魅力があるとして、それそのもの、あるいは他のことについて自己研鑽をすることも大切です。人間的な魅力というのは完成形がありませんから、ある意味では死ぬまで成長途中です。そもそも人間的な魅力は高いに越したことがありませんから、ぜひ、毎日の仕事や暮らしの中で意識をしてみてください。

小手先のテクニックでは無理

人材の確保をしっかりしようとしたら、小手先のテクニックではおそらく無理です。お金をかけないような努力はできますが、手間を省くことを考えると難しくなります。だから、社長が自分で手間ひまをかける。安易に他人に任せないようにしましょう。

育成もちゃんと考える【零細企業が人材を確保するために】

石川県を基盤にして零細企業の支援をしている永江です。
零細企業の社長さんが人材確保を考えるときのヒントとして、今日は「育成することも考えよう」というお話をさせていただきます。人材確保というと採用に目が行きがちな人があるていどいらっしゃって、実際に私から「そうではないよ」というお話をさせていただくこともあります。

即戦力はコスト高

正直いってしまうと即戦力となるスタッフを中途採用で雇用しようと思うと、なかなかにコスト高になってしまいます。採用のための手間もかかるし、それなりの給料も設定しなければなりません。もちろん育成なんてしている暇がないということもあるでしょうが、出せる費用にもやっぱり限度があると思います。

経験があったり知識や技術があったりするとすぐに働き手として役に立ちます。でも、その「すぐ」のためにいくらでもお金を用意できるわけではないならそのコストについてちょっと考えたほうがいいかもしれません。それよりも、未経験であっても社長の価値観に共感できる人材を採用して、しっかり育成したほうがけっきょくは手間もお金もかからないかもしれません。

採用時には伸びしろを見たい

そうすと、他の記事にも書いたことですが、採用時には価値観が基準になってきます。そしてもうひとつ可能であれば評価したいのが「伸びしろ」というものについてです。つまり、その人を育成していったらどれくらいのレベルのスタッフになるのかということです。今の能力ではなく、未来の能力を推定して採用を考えるということになります。

これは実際には簡単ではないと思います。何十人あるいは何百人と接してきた人事マンでも難しい評価だし、まして零細企業の社長さんがその判断力を養う機会が多くあるわけでもありません。しかし、そうはいっても大事なことなので、まずはいったん採用活動の心構えとして「伸びしろを見る」ということを考えてください。

放置しないで従業員教育を考える

小さな会社の社長さんは、ふだんからなかなか忙しくて従業員教育に携わる暇がないことが多いと思います。そのため、仕事のやりかたをあるていど理解させたらあとは放置で自然に成長するのを待つことも多いのではないでしょうか。これだとなかなか従業員が成長しないのであまりお勧めはいたしません。

ちゃんとした研修を受けさせるとかトレーニングの時間を設定するとかまではしなくても良いです。とにかく放置をしないこと。たとえば、1週間の課題をあたえてそれを仕事の中でのチャレンジとする。週末に必ずその出来ぐあいをチェックする。これだけでも教育効果はしっかりあります。放置をしない。そして従業員教育は、まず考えるということ。これも人材確保のひとつの方法として使ってください。

できそうなことは何かと考える【零細企業が人材を確保するために】

零細企業の人事をお手伝いするコンサルタントの永江です。
このシリーズ投稿では、零細企業の社長さんが苦労している「人材を確保する」ということについてお伝えをしています。どう考えて、何をすれ、理想的な人材確保ができるのか、ということです。

なんでもかんでも出来るわけではない

人材育成の支援をしていると、やたらと自己評価が低い人に出会うことがあります。いわく「自分は何もできない」「ぜんぜん成長しない」と。でも、実際にその人の成果を見てみると、標準的なレベルでは仕事ができているんです。自分で「よし」と思える基準がやたらと高いだけなんですね。ある意味で完全主義なのかもしれません。

でも、そもそも、ものごとを完全にできることなんて稀だし、なんでもかんでもできる人なんていないわけです。もちろん私もそうですし、冷静に自己評価をすれば、100点満点中の60から90くらいの間をウロウロしています。

だから、このシリーズで零細企業の人材確保についていろいろお伝えをしていますが、いきなりそのすべてを実行しようとしなくていいです。それだと無理がきて、どれも中途半端でおわります。だから、特に、慣れないことや経験のないことをいったん横においてください。そして、まずはできそうなことは何かと考えることにしましょう。

自分の会社の棚卸し

何かに取り組もうとするときに、まずは自身の棚卸しをしてみると良いです。会社組織であれば小さくても会社としての棚卸しをしましょう。フレームワーク思考いろいろのページのいちばん上にあるものがヒントになるかもしれません。

上のリンク先にあるのは一般的な経営資源についての枠組みですが、人材確保の取り組みについてであれば、この投稿シリーズのそれぞれの項目について考えてみるとよいと思います。

それほど大げさなことではなくて、たとえばコンセプトを決めようと考えたときに、社長ひとりで考えて見られるなら考えてみる、誰かに相談してみたかったらしてみる、そんなレベルでよいです。それができるかできないか、そういう小さなことの棚卸しをしましょう。インターネットの利用について、社内の既存の人材について、社長や従業員のまわりにいる人について、あるもの、無いものを確認してください。

弱みと強みは紙一重

自身や会社の棚卸しをするときに、よく使われるポイントとして「強み」と「弱み」があります。人の強みとしては技術やスキルなどが考えられるし、会社としては持っている経営資源などが考えられます。そして強みを生かして活動をしていこうとなるわけです。

ただ、注意していただきたいのは弱みが強みと紙一重にあるということです。どういうことかというと、弱みだと思えることであっても考え方を変えることによって強みに化けることがあるということです。たとえば会社の立地が不便なところだとそれは弱みにとらえられがちですが、もしかしたら近隣のことに気を使わずに事業に集中できるという強みになるかもしれません。強みであるとか弱みであるとかは評価であって事実ではないことが多く、事実そのものに目を向けて、強みに化ける可能性を探るのも良いです。

できそうなことから手をつける

そして、行動です。行動は、できそうなことから手をつければいいです。できないことを、できるようになってからやる、というのでは遅れます。まずは、できることをやって、あまり好ましくない現状を少しでも動かしましょう。何かが動けば次の手も新たに見えるかもしれません。

ときに人は「できるようになってからやる」という考えを持ちがちで、実際にそういう人は少なくないように思います。でも、しっかり棚卸しをして丁寧に考えれば、いま出来ることはあるはずです。あるいは、ちょっと良くなる未来につながる小さな一歩も何かあるはず。だから、大きなことを達成するためであっても、まずは小さな一歩でいいから、できることから手をつけてください。