ある職場で、Aさんが出張から帰ってきたとします。
Bさんが訊きました。
「今回の出張はどうだった?」
するとAさんが
「どうもこうもないよ。大変だったよ~。」と答えます。
Bさんは
「そうか、大変だったのか。おつかれさん。」と返します。
ここまでで終わると「分解しない聴き方」になります。
さて、今度は 「分解して」 聴いてみましょう。
Bさん
「何が大変だったの?」
Aさん
「同行した部長が先方の住所を間違えててさぁ…」
「約束の時間に間に合わなくて。。。」
「おまけに用意した資料も忘れてきているし…」
Bさん
「そりゃ、大変だったね。」
「で、肝心の商談の方はどうだったの?」
Aさん
「あぁ、商談は問題ないよ。」
「資料は僕が持っていったパソコンにデータがあったから。」
「先方も前向きで、契約はとれそうだよ。」
Aさんにとっては部長さんの失敗が
今回の出張の「一番の思い出」なんですね。
だから「どうだった?」と訊かれたときにまっさきに「大変だった」と答えたようです。
でも、業務としての出張の成果はまずまずだったようですね。
コミュニケーションを単発で終わらせると、
このように必ずしも適切ではない印象を受け取ってしまうことがあります。
もちろん、伝える方の問題もあるのですが、
訊く方も、ものごとを分解して質問をすることを心がけるとよいと思います。