起業しようとする人へ、家計簿的な考え方は捨てましょう

人事系コンサルタントの永江です。
今日は人事の話じゃなくて、会計のお話。それも、これから起業をしようと考えている人へのメッセージです。
すでに会社を経営している人はまったく不要になる話のはずで、ざっくりいうと「キャッシュフローを考えよ」ということです。経営を実際にしてみると分かるはずなのですが、「やりたいことで独立開業!」と考える人に欠けがちな思考があるのです。

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お金の出入りにおけるタイムラグ

事業をやるうえでのお金の出入りには、タイムラグが発生します。買ったけれども後で払うとか、売り上げたけれども後でもらうとかですね。これをちゃんと考えておかないと、払うべきときに払う現金が足りないとか、商品は出ていったのにその分の現金が入っていないとか、いろいろ残念なことになるかもしれません。ちなみに、タイムラグはマイナスのこともあり、つまり、先にお金をもらっておいて、後でサービスを提供するというやり方も考えられます。

「どうせ払わなならんものだから払ってしまえ」という誤り

実は私の母親は、家計を預かる主婦として、「どうせ払わなならんものだから、とっとと払ってしまえ」という考えの持ち主でした。つまり、たとえばローンの支払いがあったとして、いくらか現金に余裕があったら、予定より先に払ってしまって残債を減らすことを好むんです。子どもの習い事の月謝も、「どうせ払う」といって早め早めに払います。でも、この考えは家計なら良いのですが、事業経営としてはあまり良くないです。手持ちに現金がせっかくあるのに、支払ってしまったら無くなります。売上があったのにまだお金をもらっていないということもあるから、「どうせ払うから、とっとと払え」は決して正しいことではありません。

売上から経費を引いて利益が出ればそれでいいというわけではない

売上金額があって、そこから諸々の経費を引くと利益になります。この利益を大きくすると自分が潤います。これは基本中の基本で、誰でも分かっているのですが、それだけでは事業はうまくやっていけません。前述していますが、売れてもまだお金をもらえないということがあります。月末締めで、翌月末の受取りになるなんてザラな話。商品やサービスを提供してから2ヶ月ちかくもお金をもらえないこともあるということです。

要は、売れたあとにお金をもらうまで、商品は無いわ、お金も無いわ、で何もない状態になるということです。しかも会計上はこの時点で利益が発生していますから、利益があるのにお金がないという状態が発生します。家計簿的な、あるいはお小遣い帳のような考え方しか持っていない人はこの部分が理解できません。分からない人は簿記から勉強してください。これは実際に起きうることですから。

もらうのは早く、支払うのは遅く

手元に少しでも長く多く現金があれば、いざというときに対応できます。ここぞというタイミングで投資すべき事案があればそれも可能になります。突然のトラブルにも対応しやすくなります。それを実現するためには、「もらうのは早く、支払うのは遅く」です。売上に対して受取るお金は早いに越したことはありません。なんなら前受けで処理したいです。逆に、経費や借金の支払いはなるべく遅くするのがいいです。払うべきものが残っているが気持ち悪いという感覚は分かるのですが、家計簿的なその考え方を捨てたほうが良いかもしれません。