発想力と「思い出し力」

思考力トレーナーの永江です。

「発想力が欲しい」とか「いろいろな発想ができるようになりたい」という声を聞くことが多いです。
最近はロジカル・シンキングに関するセミナーをさせていただくことが多いですが、
それと連携する形での「発想力講座」もご依頼いただくことがあります。

お仕事をされている方なら、職種によっては「発想」こそが命ということもありますね。
ルーチンがメインの職種であっても、業務改善などのポイントで必要になることもあります。
そんなときに、もっとその能力があったらなぁと感じる人は少なくないようです。

 

発想が必要となる現場では、発想力を2つにわけて考えられます。
それは、まさに発想そのものである「思いつく」ということ。
そしてもう1つは、それをアイデアとして「アウトプットする」ということです。

先にアウトプットについて書いておくと、
思いついたことを、その場で必要な形で、言葉や図、身振り手振りなどに変換する必要があります。
自分の頭のなかだけで完結する場合であっても、
できれば言語化や見える化をしておいたほうが良いです。
つまり、モヤモヤした思考を、なにかスッキリした形にしておくということです。

これは情報の整理整頓、それからいろいろな組合せの試行錯誤で実現できます。

 

そして、「思いつく」ことですが、
私の持論では、これは「思い出す」こととほぼ同じです。
つまり、自分以外のどこかにあるものを呼び寄せるのではなく、
自分の頭のなかにある情報を引っ張り出してくることが発想だという考えです。

当然といえば当然なのですが、
自分の頭のなかにまったく無い事柄は、何をどうしたって浮かんでは来ません。
知らないことは思考のテーブルに上げることは出来ないのです。

「本を読みながら、それを発想にすることもできる」と言われそうですが、
それすら実は、
「つい今しがた読んで頭に入った情報を思い出している」に過ぎないわけです。

このように考えて、
私は「発想力」の核となるものの1つが「思い出し力」だとお伝えしています。

 

たくさんの情報を頭にインプットしておけば、
すなわち、いろいろな知識を得て、それを忘れないようにしておけば、
あとはそれをどんどん引っ張りだすだけです。
良いアイデアは意外な事柄の組合せで出来ることが多いですから、
先入観を捨てて、さまざまな「記憶」を引っ張りだすことが有効なのです。

したがって、
発想力のベースになるものは、既に得ている知識です。
情報そのものが無ければ引っ張り出すことなど出来ませんから、
やはり、インプットは重要なのです。

頭の中にある情報を増やすには、これはもう経験しかありません。
簡単にいえば勉強するということにつきますが、
いろいろな経験を積んで、その瞬間でなにかを得られるような心構えが必要です。

一方で、既に多くの経験をして知識を得ているのに発想力が貧しいという方は、
まさに「思い出し力」を意識していけばいいのです。
とにかく思い出す。関係があろうとなかろうと記憶の中から引っ張り出してくる。
そういう「思い出し力」によって「発想力」が高まるはずです。