思考力トレーナーの永江です。
自己分析とは、
何か課題や問題にあたっているときに行われることが多く、
自分自身の特性を洗い出すことで、
本当の自分を知ろうというアクションのことです。
この自己分析をするときの注意点について、
2つの軸から考察をしたいと思います。
それは、「タイミング」と「分析の程度」のことで、
「分析の程度」は「深さ」と置き換えてもいいかもしれません。
まず自己分析を行うタイミングについてですが、
これは、なんでもない普段のとき、
あるいは何も問題が起きていない状況が望ましいです。
現にトラブルが起こっている状況や、
大きな問題を抱えているような場合では、
冷静な分析が出来ないおそれがあります。
そもそも自分自身のことを冷静に判断すること自体が難しいので、
客観的な視点を持てる時期が理想的です。
それは、課題を抱えて心拍数が上がっているときではなく、
落ち着いて考える時間をつくれる普段のときなのです。
また、人間は外面も内面も常に変わっていくものです。
自己分析も、定期的に繰り返すようにしましょう。
次に、程度または深さについてですが、
これは、どの程度まで自己分析を深めていくのかということになり、
基本的に、じっくり時間をかけて深く深く自分を掘り下げることが大切です。
例えば、
自分が得意なものはなんだろうと考えて、
そうだ、スポーツだ、という結論を得たとします。
では、体を動かすことが得意なのだから、
力仕事が向いているだろう、と判断するのは適切でしょうか。
スポーツといってもいろいろなものがあり、
肉体のパワーをものすごく必要とするものもあれば、
柔軟性に長けていることが重要なものや、
持久力で勝負するようなものもあります。
マラソン選手には重い荷物を平気で持てる体形の人が少ないように、
スポーツが得意だといっても、さらにさまざまな特性があることに
きちんと目を向けなくていけません。
スポーツが得意だ。
では、どんなスポーツなのか。
さらに、そのスポーツの中でもどんな場面が得意なのか。
身体能力のうちで、特にレベルが高いのはどの部分なのか。
というふうに、
どんどん深く掘り下げていって、
自分の特性をピンポイントで明らかにしていく。
これが本当に必要な自己分析のありようです。
「人と接することが好きだから接客業に就きたい」
一般的によく聞かれるような話ですが、
単に人と接することだけなら他の職種でもたくさんあります。
工事現場の監督は、現場で働くさまざまな職人さんと接します。
会社の総務スタッフなら、ほぼ全従業員との接点を持つかもしれません。
人と接することのどんな部分が好きなのか。
その中で感じるどのようなところが自分の欲求を満たしてくれるのか。
短絡的ではなく、じっくりと自分に向き合って、
冷静に自分自身を評価しましょう。
そうしなければ、間違った選択をしてしまうかもしれません。