思考力トレーナーの永江です。
ロジックツリーという思考ツールがあります。
フレームワークの一種と考えてもいいです。
木の枝が伸びて広がるように項目を書き出す手法で、
階層的な分類を行ったり、論理展開のつながりを確認したりします。
例えばこの図のようなものです。
トーナメント表のようですね。
このように枝分かれしながら分類をしたり、
手段や原因・理由などの論理展開を書き表していきます。
しかし、このロジックツリーという「描き方」には都合の悪いところがあります。
それは、後で思いついたことを描き足しづらいという点です。
図2の例では、
「SNS」の先をさらに分岐させて「Twitter」と「Facebook」を足したいのですが、
既に描き込まれたものが邪魔で描き足しづらいのです。
次の図3も同様で、
「バナー広告」の細分化項目として「クリック保障」を足したいのですが、
既に描かれた「表示保障」と「検索連動」の間が狭くて描き足しづらくなっています。
私はロジックツリーが有効な思考シーンにおいては、
ぜひともマインドマップを使うようにお勧めしています。
この例の流れをマインドマップで表現していた場合、
いったん図4のように描かれたあとに追加をしたくなり、
図5のように描き足されることになります。
マインドマップは枝(ブランチ)を自由に放射状に描いていくので、
後で追加情報が出てきたときに便利です。
また、ロジックツリーでいったんきれいに並べて描いてしまうと、
その「きれいさ」に脳が安心してしまい、漏れがあっても気づかなる可能性が高くなります。
これではいけません。
思考力を高めて自由な発想をし、
項目や関連を漏れ無く挙げていくにはマインドマップが格好のツールです。
マインドマップは描かれた要素が揃っていない(整列していない)ので見づらい、
というのであれば、いったんマインドマップで描いたものを
ロジックツリーに清書をすればいいと思います。
(個人的にはこの清書は不要だと感じていますが)
放射状に描くという形状のイメージから、
自由な発想に向いていると思われがちなマインドマップですが、
その自由な発想を誘導してくれることが漏れ無く情報を挙げていくことにつながり、
論理的な思考にもとても役に立つのです。
ロジックツリーについては、こちらの電子書籍でも取り上げています。
身近なことで思考の練習をしよう ふだん使いのフレームワーク思考 (オフィスまなぶき)
フレームワーク思考はロジカル・シンキングを助けてくれるとても便利なツールです。
ビジネスユースで紹介されることが多いのですが、
ふだん使いをしてこそ便利さが本当に分かるのではないかと思っています。
最後に、
マインドマップについての私の師匠である矢嶋美由希さんの書籍を紹介しておきます。
こちらは、マインドマップの描き方ルールや、「マインドマップとは」という内容のほかに、
なによりも、たくさんの方の活用事例が載っているのでオススメです。
ひとことでマインドマップといっても使い方は人それぞれ、
まさに千差万別のマインドマップがいろいろ紹介されているので、
マインドマップに興味ある人にはぜひ読んでいただきたい内容です。